大リーグにとっては「お祭り」 メジャー組招集方法を見直すべき

[ 2013年3月23日 08:48 ]

WBC検証

 日本人大リーガーは全員辞退した。黒田、岩隈、ダルビッシュ、イチロー、青木、川崎。関係者は「日本野球機構(NPB)が大リーグ機構に招集をお願いしたが、なかなか(出場の可否を含めた)返答がもらえなかった」と語る。だが、大リーグ機構→所属球団→選手ではなく、NPBが直接選手に打診し、その後に球団間で調整する手段はとれなかったのか。

 中には「本当に自分が選ばれているの?」と思う選手もいた。昨年9月上旬に日本プロ野球選手会が参加表明したことを受け、大リーグ側に招集のリストを送ったが、選手にまで届かない部分もあった。マリナーズのジャック・ズレンシックGMは、11月上旬のGM会議の時点でも、岩隈の派遣については「まだWBCについては考えていない」と言った。

 大リーグにとって、WBCは国際戦略のための興行で、「お祭り」に過ぎない。全30球団の協力をうたうが、参加の強制力はない。「シーズンに悪影響が出るなら出場は控えてほしい」との思いは共通だ。今回の6選手は、新契約を結んだか、チーム内の地位を確保しなければならない立場にあった。日本選手は大会終了後まで所属チームに戻れないことも球団からすればマイナスだ。選手から「出たい」と言うことは難しかった。その点も踏まえ、早くからリサーチする必要があった。

 今回の大会でも、先発投手に対し、所属球団は起用法を限定するケースがあった。ブラジル代表のリエンゾの所属球団であるホワイトソックスは、大会規定とは別に、厳格な球数と登板試合数の要望をブラジル側に伝えていたという。第2回大会の松坂も、レッドソックスから練習試合の登板間隔について規制があり投げられなかった。次回大会に向け、大リーグ側に大会への意識を少しでも変えてもらうことも大事になる。

 「辞退」の決断は非常に重い。選手にだけ判断を委ねるのは酷だ。今回の反省も踏まえ、招集方法も見直す必要がある。

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2013年3月23日のニュース