岩国・高橋 完封一番乗り!V候補・履正社を5安打

[ 2013年3月23日 06:00 ]

<履正社・岩国商>9回、捕手・栗栖(右)から顔に気合いを入れられる岩国商・高橋

第85回選抜高校野球 岩国商1-0履正社

(3月22日 甲子園)
 第85回選抜高校野球が開幕し、1回戦3試合が行われた。春初出場の岩国商(山口)はエース左腕・高橋由弥投手(3年)が今大会一番乗りとなる完封で、3年連続出場で優勝候補の一角でもある履正社(大阪)に1―0で競り勝った。
【試合結果 組み合わせ】

 1点リードの7回1死満塁。1メートル77、70キロの細腕左腕、岩国商・高橋はマウンド上で大きく深呼吸して、気持ちを入れ直した。

 「強い相手を無失点で抑えるという気持ちで投げた」

 代打・八田を内角の直球で投ゴロに詰まらせると、続く長谷川は外角スライダーで泳がせて浅い中飛に打ち取った。真っすぐとスライダーが中心でカーブは3球だけの配球だったが、「普段から意識して投球練習をしているのでコントロールには自信がある」。昨秋に大阪桐蔭の公式戦連勝を38で止めた履正社を相手に、制球力を武器に強気の姿勢を貫いて5安打に抑えきった。

 冬場の走り込みと食事量を増やした体づくりの効果が出た。白飯はどんぶり1杯から、朝2杯、昼夜は3杯ずつ食べるようにした。体重は4キロ増え、「ボールに体重が乗って切れが増した」。昨秋の公式戦全9試合を1人で投げ抜き、防御率1・56。まさにタフネス左腕だ。

 就任1年目で初出場初勝利を収めた中内(ちゅうない)博和監督。主将やエースへ依存しないチームづくりを目標に、チーム内に「学習係」、「体力強化係」などを置いて各選手に役割をもたせた。例えば「学習係」。各選手のこれまでの校内テストの点数が書かれた一覧表を作成。今後のテストでの目標点を算出する。高橋も「環境整備係」としてグラウンドの草むしり、登校路のごみ拾いなどに取り組んだ。部員はわずか27人。ほとんどが山口県岩国市内出身で、入学まで硬式野球経験者もいない非エリート集団が、それぞれの役割に徹し、1点を全員で守りきった。

 次戦は山形中央が相手。「初めての甲子園で、完封できて自信になった。次も完封します」。高橋が波乱のセンバツを演出する。

 ◆高橋 由弥(たかはし・ゆうや)1995年(平7)10月31日、山口県生まれの17歳。軟式野球を始めた小3から投手。平田中では軟式野球部に所属し、中3の時に山口県大会3位。岩国商では1年夏からベンチ入りし、同秋に背番号1をつける。趣味は音楽鑑賞。憧れの野球選手は杉内俊哉(巨人)。1メートル77、70キロ。左投げ左打ち。血液型はO。

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