右肩痛でもマエケン残す!浩二監督「彼の調整を信じる」

[ 2013年2月20日 06:00 ]

15日のキャッチボール中に右肩を回して顔をしかめる前田。右は山本監督

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの山本浩二監督(66)は、20日に発表する28人の最終メンバーに、右肩の違和感を訴えている広島・前田健太投手(24)を選出することを明言した。17日の広島との強化試合(サンマリン宮崎)では本来の投球フォームからは程遠く調整遅れを露呈したが、それでも山本監督は変わらぬ信頼を強調した。

 本調子でないのは分かっている。それでも山本監督は「俺は選ぶよ」と断言した。右肩の違和感を訴えている前田健について「段階を追ってきっちり合わせてくれるタイプ。きのうも話したが、非常に前向きな話をしてくれた。彼の調整を信じる」と全幅の信頼を寄せた。

 20日の紅白戦後にスタッフ会議を行い、本大会に臨む28人の最終メンバーを決める。33人の代表候補から、野手3人、投手2人をカットしなければならない。山本監督自身「本当に頭が痛いよ」と漏らす苦渋の選択。だが本番を見据え、3連覇を目指すことを考えると、前田健は絶対に必要な戦力と判断した。

 17日の広島との強化試合では、広島側で先発して2回2安打無失点。だが球速は140キロに満たず、フォームも従来のダイナミックさを欠いた。異変は明らかで、結果以上に内容に疑問符が付いた。ただ18日には強めのキャッチボールを行うなど復調途上にあるのも事実。「悪くないです。いい感じで投げられるようになってきた。周りが騒ぐのは仕方ない。焦りはないです」と本人も前向きな感触を口にしていた。

 山本監督は「予定通りオーストラリア戦にいく」と広島戦から中6日となる24日の壮行試合・オーストラリア戦(京セラドーム)で、前田健を登板させる予定。そして再び中6日で3月3日の1次ラウンド第2戦、中国戦(ヤフオクドーム)を任せる意向だ。復調具合によっては中国戦は第2先発に回し、球数を制限する手も検討中。相手が戦力的に落ちる第1ラウンドでは無理をさせず、8日から東京ドームで行われる第2ラウンドで先発を任せることも考えている。

 昨季は両リーグトップの防御率1・53をマークするなど、復調さえすれば実力は申し分ない。「謙二郎(広島・野村監督)ともいろいろと話はしている。この大会に懸ける思いは本当に強い選手」。開幕戦となる3月2日のブラジル戦(ヤフオクドーム)での先発に指名した田中と並び、前田健は侍ジャパンの2枚看板。指揮官はその看板を信じて戦うことを決めた。

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2013年2月20日のニュース