藤浪バットへし折った 課題残すも球威は大器片りん

[ 2013年2月20日 06:00 ]

藤浪はフリー打撃登板で同じ新人の小豆畑(右)のバットを初球でへし折る

 阪神のドラフト1位ルーキー、藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が19日、沖縄・宜野座キャンプでフリー打撃に初登板した。6年目の左打者・森田と新人の右打者・小豆畑(あずはた=西濃運輸)を相手にカットボールを交えて計32球を投げ、安打性の当たりは2本。昨年12月以来という打者との対戦で投球時に体が開くなど課題も多く残したが、小豆畑のバットをへし折るなど球威では大器の片りんを見せた。

 昨春、昨夏の甲子園でスタンドからの視線を一身に浴びてきた藤浪も、さすがに緊張は隠せない。プロ初のフリー打撃登板。いきなり3球連続でボール。それでも「すみません」と帽子を取って一礼すると、すぐに落ち着きを取り戻した。

 「とにかく腕を振ることだけを意識して、7~8割の力で投げました。久しぶりであまり良くなかったが、その中で課題も見つかった。体が開いてしまうことが多かったので、そこを修正していきたい」

 昨年12月以来という打者との対戦。森田、小豆畑を相手に、初球からワインドアップの実戦モード。小雨が降る中、直球のみを投げた森田には中堅に柵越えを許した。体の開きが早く上半身が横回転、腕の位置も下がり、シュート回転が顕著だった。一方、小豆畑への初球の内角直球でバットを折るなど球威には大器の片りんを見せた。和田監督は「前のネットが気になっただろうが、球自体は悪くなかった」と評し、森田は「指に掛かると凄く速い」と驚いた。小豆畑も「右打者は打ちづらい。いつもより打席の後方に立ったのですが、それでも速さ、角度がありました」と振り返った。

 打撃ケージの真後ろに陣取ったかつての猛虎のエース、江夏豊氏(評論家)は感嘆の声を上げた。「想像以上に良かったね。あのボールを見れば、開幕からいける。右(打者)の懐に力のあるボールを投げられていた」。さらに、日本ハム・大谷を引き合いに「どこかの新人に二刀流の選手がいたけど、(藤浪は)一刀流で十分」と評した。

 キャンプ最終クールにこぎ着けた打者相手の投球で、また一つ、開幕先発ローテーション入りへ準備を進めた。中西投手コーチは京セラドームでの開幕2カード目(4月2~4日、対中日)を見据えるかのように、オープン戦のプランに言及し「甲子園は慣れているが、京セラはあまり(経験が)ない」と、開幕に向けた最終調整の場として3月22日からのオリックス3連戦(京セラドーム)中の登板を示唆。藤浪が用意された「黄金ロード」を着実に歩んでいる。

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2013年2月20日のニュース