まるで新人 イチロー決意新た「ポジション奪う」

[ 2013年2月20日 06:00 ]

キャンプインし、チームメートと談笑するヤンキースのイチロー(右)

 ヤンキースのイチロー外野手(39)が18日(日本時間19日)、大リーグ13年目のキャンプインを迎えた。昨年7月にマリナーズから移籍したため、ヤ軍のキャンプには初参加。常勝軍団での初キャンプを「合理的」と評するなど、あらためてヤ軍の魅力を実感した。10月で40歳になる今シーズンに日米通算4000安打、そして悲願のワールドシリーズ制覇を目指す。

 39歳の「オールドルーキー」だ。前日まで3センチほどあった頭髪を丸刈りにして臨んだヤ軍キャンプ初日。練習後のコメントも新人のようだった。

 「レギュラーが決まっているわけじゃない。しっかりポジションを奪わなければいけない。チームから必要とされる選手であることを、この期間に思ってもらえるようにやらなくてはならない」

 ヤ軍よりも好条件を提示したジャイアンツやフィリーズに見向きもせず、2年総額1300万ドル(約12億900万円)で再契約した。全ては「この球団には、この球団でしか味わえないことが確実に存在する」と表現していた場所に、再び身を置くため。右翼のレギュラー最有力候補であっても、あえて一からの競争を口にすることで初心に帰った。

 キャンプでも新鮮な驚きの連続だった。全体で60分の打撃練習。最初のグループで15分間のフリー打撃を終えたイチローが向かった先は、右翼の守備位置。そこで定められた時間として15分間だけ守ると、残りの30分間は室内の打撃ケージに移動して再び打ち込んだ。

 「練習の流れは合理的。守備練習も(時間を決めることで)きっちりできる。45分って言われると、単なる球拾いになっちゃうけど、そういうことがよく分かっているんでしょうね」。漫然とした時間は排除する、常勝軍団の洗練された練習方法。「当たり前のことなんですけれど、なかなかできない」と感嘆した。

 フリー打撃では41スイング中、柵越えはなかった。アリゾナ州でのマ軍キャンプ初日には昨年は7本、一昨年は13本の柵越えを披露したが、「アリゾナは飛び過ぎますからね。アリゾナが特別な場所」。高地にあり、空気も乾燥していることから打球がよく飛ぶとされるアリゾナ州でこれまでキャンプを送ってきたイチローにとってはこれもまた新鮮だった。

 「(目標は)いっぱいありますよ。増えるかもしれない」とイチロー。具体的な目標は口にしなかったが、悲願の世界一へ。そのためのシーズンが始まった。

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2013年2月20日のニュース