中畑監督“体当たり”で初退場!帽子叩きつけ「バカヤロー!」

[ 2012年9月17日 06:00 ]

<ヤ・D>7回無死二塁、森本の送りバントで二走・筒香がアウトになり、深谷三塁塁審(右)に抗議するDeNA・中畑監督

セ・リーグ DeNA1-2ヤクルト

(9月16日 神宮)
 深谷三塁塁審が「アウト」をコールした瞬間、DeNAの中畑監督は両手を広げてベンチを飛び出した。ベースを指さして「足が入ってるじゃないか!」と猛烈アピール。両手を後ろに回して抗議を続けるうちに勢い余って腹から腰の部分が接触。同審判から「体当たりされた」として「退場」を宣告された。今季の監督の退場は広島の野村監督に続いて2人目。中畑監督にとっては、巨人打撃コーチ時代の94年7月24日の中日戦(ナゴヤ球場)以来生涯2度目、監督としては初の退場劇である。

 7回の攻撃だった。ラミレス、筒香の連続二塁打で同点とし、なおも無死二塁。森本の投前バントを七條が三塁へ送球した。二塁走者の筒香の足が早かったようにも見えたが、アウトの判定。白井三塁ベースコーチが「100%セーフ。あんなの間違うのは審判じゃない」と言えば、監督代行を務めた高木ヘッドコーチも「どっちが退場しなくちゃいけないかって話だよ。審判も意固地になってるよね」とはき捨てたが、いったん下した判定が覆るはずない。

 中畑監督はベンチ前で「バカヤロー!」と絶叫しながら帽子を叩きつけ、クラブハウスに引き揚げた。その裏、先発の加賀美が両太腿にけいれんを訴えて降板し、救援投手陣が決勝点を奪われた。2分けを挟んで今季最多タイの6連敗。試合後は監督就任後初めて会見を行わず、広報を通じてコメントを発表した。

 「ファンに勝ち試合を見ていただけない部分も含め、気持ちがストレートに出てしまった。ランナーの足が入っているように見えたし、チームにとって最も重要な局面だったので、抗議に至った。ただ自分のとった行動で迷惑をかけてしまったことはおわびしたい」

 判定に再三泣かされてきた今季。やるせない思いを行間ににじませた。

 ▼DeNA・加賀美(6回0/3、1失点。7回、先頭のユウイチとの対戦中に両太腿がけいれんして降板)同点にしてもらった直後で投げきれないで申し訳ないです。

 ▽中畑監督の退場VTR 巨人打撃コーチ時代の94年7月24日の中日戦(ナゴヤ)、1点を追う4回無死一塁で、原(現巨人監督)の打球は投手の山本昌のグラブをはじき、一、二塁間を転々。これを二塁手の立浪が捕球して一塁へ送球し、杉永一塁塁審はアウトの判定。これに一塁コーチスボックスの中畑監督は「そりゃないだろう!セーフじゃないか!」と猛抗議。両手で同審判を突き飛ばし、即刻退場処分を受けた。

 【今季の主な抗議】

 ☆4月21日阪神戦(横浜)5回に本塁クロスプレーのアウト判定をめぐり初抗議。約1分間、工藤球審に詰め寄ったが判定は覆らず「血管が3本くらい切れそうだった。いや、切れたんじゃないかな?」

 ☆5月10日巨人戦(東京ドーム)7回2死一塁の場面で捕手・鶴岡の三振の判定をめぐり、約3分間の猛抗議。「あれ以上やると退場になるからと止められた。でも、行くときは行かないと」

 ☆5月19日ロッテ戦(横浜)2回ラミレスの左翼ポールを巻く打球がファウルの判定。ビデオ判定に持ち込むも覆らず。「スタンドのロッテファンですら“あれはホームラン”と言っていた。あれが誤審だったら怒るよ」

 ☆8月26日巨人戦(横浜)8回の巨人の攻撃中に、原監督が電光掲示板の表示間違いを指摘。試合が中断したものの、場内放送はおろか、深谷球審がDeNAベンチに説明しなかったことに抗議した。「中断しておいて何の説明もないのはおかしい。ファンを無視するのは許せない」

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