武藤奮投、荒木意地の一振り…高木監督「本来の会心の勝ち方」

[ 2012年9月17日 21:19 ]

8回中日1死一、三塁、荒木(奥)が左翼線に決勝の2点二塁打を放つ。投手小山
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セ・リーグ 中日2-0巨人

(9月17日 ナゴヤD)
 中日がナゴヤドームでの巨人の胴上げを阻止した。巨人が優勝マジック5として迎えた3連戦の初戦。中日は先発したエース吉見が右肘の違和感のため、4回途中で降板したが、その窮地をプロ2年目の右腕が救い、ベテランの一振で勝利を呼び込んだ。

 4回2死二塁、打席には4番・阿部。1ボールという場面で緊急登板した武藤は146キロの速球の後、134キロのフォークで中飛に打ち取り、ピンチを切り抜けると、5回、6回と巨人打線を無得点に抑えた。7回は昨季のMVP右腕で5月13日以来の1軍合流を果たした浅尾、8回は岩瀬がともに得点圏に走者を背負いながらも無失点で切り抜けた。

 その裏、ようやく試合が動く。1死から代打・野本が左中間二塁打、大島が右前打を放ち、一、三塁のチャンス。「何とか点を取りたいと思い、いつも以上に集中して打席に入った」という荒木は、3ボール1ストライクから内角低め、144キロの速球を叩く。打球は三塁ベースに当たり、左翼線へ。2者が生還する値千金の先制二塁打となった。

 「いいところにボールが飛んでくれてよかったです。これだけピッチャーがしっかり抑えてくれているのに、いつも迷惑をかけていたので、きょうは(点が)取れて本当によかった」プロ17年目のベテランは安どの表情を浮かべた。

 「会心のピッチングリレーをしたことが8回の点につながった。ドラゴンズ本来の会心の勝ち方でした」と高木監督。吉見にアクシデントはあったものの、緊急登板した武藤の好投に加え、浅尾の復活という好材料もあっただけに指揮官もご機嫌だ。

 これで今季の巨人戦は10勝9敗3分け。18日も勝てば、勝ち越しが決まる。高木監督は「今の私の頭の中にはそれ(巨人戦の勝ち越し)しかない。あしたも何とか勝ちたいね」と話したが、それだけで終わらない。「まだ(巨人)優勝が決まったわけじゃない。最後まで全力で戦いたい」と荒木は、リーグ優勝の望みを捨てていない。もちろんクライマックスシリーズもある。宿敵・巨人との戦いはまだまだ続く。

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