藤岡 115日ぶり5勝目!「ここまで長かった」

[ 2012年9月17日 06:00 ]

<ロ・西>ファンとハイタッチする藤岡

パ・リーグ ロッテ5-2西武

(9月16日 QVC)
 ロッカー裏の通路に現れたロッテの藤岡は安どの息を吐いた。第一声は「ここまで長かった」。5回2失点で5月24日ヤクルト戦(QVCマリン)以来の白星。「もう少し長い回を投げなきゃいけない。でも勝ちがついたのはいいこと」。もがき苦しんだドラフト1位左腕は5勝目を素直に喜んだ。

 活路を見いだしたのはスライダーだ。「きょうは曲がりを小さくした、速いスライダーが良かった」。従来の110キロ台ではなく、握りを浅くして120キロ台後半でカットボール気味に鋭く曲げた。東洋大時代に「ちょこんと当てられて野手の間に落ちるヒットがある」と封印した持ち球を解禁したのは、プロでは緩急だけでは抑えられないと学んだから。3回無死一、二塁。その高速スライダーで秋山、中島を連続空振り三振に斬った。

 新人王の大本命と目され、開幕直後は順調に白星を重ねたが、4勝目以降は5連敗。7月2日に2軍落ちし、左肩も痛めた。ソフトバンク・武田ら新人が白星を伸ばす中「新人は勝たないでくれ」と思った時期もあったという。「でも焦っても仕方ない。早くケガを治そう」と切り替えて8月中旬に1軍復帰。そこから1カ月かかったが、苦しんだ分だけ大きな収穫も手にした。

 制球面や直球の最速が140キロ止まりなど課題は残るものの、取り戻した自信も大きい。西村監督も「この勝利でいい方向に持って行ければ」。逆転CS進出への機運が高まる復活劇だった。

 ▼ロッテ・清田(初回、先制二塁打で東洋大の後輩・藤岡を援護)無心で打った。藤岡は5回で終わるようじゃダメ。それに、もっと直球で押してほしい。

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2012年9月17日のニュース