エコ投法でも１２Ｋ！松井、３戦連続２桁Ｋで初８強だ！

＜浦添商・桐光学園＞９回、最後の打者を三振に仕留め、雄たけびを上げる桐光学園・松井

第９４回全国高校野球選手権大会３回戦 桐光学園４―１浦添商

（8月19日 甲子園）
　３回戦４試合が行われた。第２試合では桐光学園の松井裕樹投手（２年）が、浦添商（沖縄）戦で３試合連続２桁奪三振となる１２三振を奪い、４安打１失点で完投勝利。通算５３奪三振とし、５８年に板東英二（徳島商）がマークした大会記録の８３奪三振にあと３０とした。
【組み合わせ】

　両手を膝に置き、松井が肩を落とした。８回、先頭の照屋にスライダーを左翼席に運ばれた。甲子園３試合目で初被弾。だが、そこから目の色が変わった。後続を３者連続三振に斬ると、９回も３つのアウトを三振で奪った。

　「完封を意識していたので悔しかった。ギアを入れ替えて、１００％から１２０％にしました」

　初回に毎回奪三振が途切れ、２回も三振ゼロ。２回戦までに甲子園記録の４１奪三振をマークした松井に対し、浦添商は各打者が打席の前に立ち、スライダーの曲がり始めに合わせ、ミート重視のスイングをしてきた。そのため空振りが奪えず「三振を取れないと思ったので打たせて取ろうと思いました」と過去２戦とは気持ちを切り替えた。

　緩急をつけた直球で、相手の上を行った。握りを替え、１２５キロから１４５キロまで、球速差２０キロを操った。捕手の宇川が「ノーサインで投げる」という、抜いた直球で打者の打ち気を誘った。５回までに奪った三振はわずかに４だったが、被安打は２。速い直球だとファウルになる可能性があるため「フェアゾーンに（打球を）入れさせる練習をしてきました」と、平然と言った。