尻キックもうれしい!加賀美、2安打完封「出来すぎ」

[ 2012年8月20日 06:00 ]

<中・De>2安打完封勝利を挙げたDeNA・加賀美

セ・リーグ DeNA2-0中日

(8月19日 ナゴヤD)
 勝利のハイタッチを終えたDeNA・加賀美の尻に、友利投手コーチの右足の蹴りが飛んできた。激痛に顔をゆがめたのは一瞬だけ。鬼コーチの強烈な祝福に「うれしい限りです」と笑みが広がった。

 勝利のハイタッチを終えた加賀美の尻に、友利投手コーチの右足の蹴りが飛んできた。激痛に顔をゆがめたのは一瞬だけ。鬼コーチの強烈な祝福に「うれしい限りです」と笑みが広がった。

 「初回から飛ばした。まさか9回までいけるとは思わなかった。ちょっと出来過ぎです」

 4回まで無安打投球。1回り目は決め球のチェンジアップをあえて使わず、140キロ台中盤の直球とカーブ、スライダーで緩急をつけた。中盤からはチェンジアップ、フォークを低めに集めて中日打線をほんろう。プロ最長の9回をわずか2安打無失点に抑えると、代打を送られた10回に打線がようやく奮起して2得点。実質「完封」の右腕に2勝目が記録された。

 「文句ない。国吉と加賀美が一本立ちするのを心待ちにしてきて、その雰囲気が出てきた」と中畑監督。国吉とともに将来のエースと期待する2年目右腕だが、1月の自主トレ中に左足首を捻挫して出遅れた。今季初先発となった7月5日の巨人戦(横浜)では、桐蔭学園の先輩・高橋由にマウンド上からあいさつする人の良さを見せた揚げ句に被弾。そんな頼りなさは、この日は全くなかった。

 7月中旬の2軍落ち後にセットポジションからワインドアップに変えて球威がアップ。チームのナゴヤドームでの連敗を11で止めた。楽天・田中、広島・前田健らと同じ黄金世代。「みんなに追いつけるように頑張りたい」と話す目には力強さが増していた。

 ▼DeNA・友利投手コーチ 無駄な四球がなく、下位打線をしっかり抑えて隙がなかった。1回り目はチェンジアップを使わなかったり、“ない”頭を使っていたなと思う。

 ◆加賀美 希昇(かがみ・きしょう)1988年(昭63)9月5日、神奈川県生まれの23歳。桐蔭学園2年秋からエース。3年夏の神奈川大会は4強で甲子園出場はなし。法大2年春から東京六大学野球で16勝をマーク。最速153キロ。10年ドラフト2位で入団。昨年10月19日の阪神戦(甲子園)でプロ初登板初先発初勝利。1メートル87、94キロ。右投げ右打ち。

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