堀内以来!武田 46年ぶり高卒新人先発4連勝

[ 2012年8月20日 06:00 ]

<オ・ソ>5回1失点で無傷の4勝目を挙げたソフトバンク先発・武田

パ・リーグ ソフトバンク10-8オリックス

(8月19日 京セラD)
 思わずベンチから身を乗り出した。は2点差に迫られなお9回2死一、二塁。オリックス・高橋信の打球が左翼フェンス手前で失速すると、ソフトバンクの武田は胸をなで下ろした。「きょうはコントロールが良くなかった。スイッチが入るのも遅かった」。反省点ばかり並べたが、高卒ルーキーのデビュー戦先発4連勝は66年の巨人・堀内以来46年ぶりの快挙だった。

 新人離れした姿を見せたのは初回だ。先頭の小島に左翼線安打され、1死一、三塁から李大浩にも左翼線へ。2安打とも2ストライク後。過去4試合は追い込んだ後、被打率・057に抑えていたが、この日は140キロに満たない直球を狙われた。ただ切り替えも早い。なお1死二、三塁はT―岡田を縦スラで空振り三振に。「(三振を)狙うところは狙っていった」。続くバルディリスへの初球は頭部付近へ。場内がざわめく中、動揺することなく中飛に仕留めた。立ち上がりを最少失点に切り抜けると5回を4安打1失点。7奪三振中、4個は縦スラだった。

 16日の日本ハム戦(Kスタ宮城)でプロ初完封を飾った、同じ高卒ドラフト1位の楽天・釜田とは対照的に、5回85球で早々と交代した。中継ぎ陣は終盤に乱れたが「武田は基本的に100球以内」と高山投手コーチは球団方針を変えるつもりはない。筋力が万全ではない高卒1年目を考慮し、設定された投球制限。先日、釜田に「負けられない」とライバル宣言されたが「体の出来がまだ向こうの方が上。(自分は)長い目で見てください」と平然と言い切った。

 チームは今季2度目の5連勝で、首位・西武とは2・5ゲーム差まで急接近。リーグ3連覇を狙う本命の勢いが、ルーキーの力投で再加速した。

 ≪内容も光る≫ルーキーの武田(ソ)が5回1失点で無傷の4連勝。66年のドラフト制以降、高卒新人の開幕4連勝以上は86年相川(大洋)以来5人目となった。うち、全て先発で4連勝は66年堀内(巨)に次ぎ46年ぶり2人目だ。各投手の開幕4連勝時の成績を比較すると、武田の防御率1・08は前記堀内の0・27に次ぐ数字。奪三振率9・72は、78年三浦(阪急)の7・04を上回り最高と、内容も光る。

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