釜田 4勝目 同級生ソフトB・武田に「負けたくない」

[ 2012年8月10日 06:00 ]

<楽・オ>4勝目を挙げた楽天・釜田はベンチでスタッフと手を合わせる

パ・リーグ 楽天7-4オリックス

(8月9日 Kスタ宮城)
 崖っ縁で楽天・釜田の荒々しさがよみがえった。0―0の2回1死満塁のピンチで伊藤にカウント3ボール。だが、ここからが並の新人ではない。2球連続直球でフルカウントに整え、最後は146キロの直球で一邪飛。続く駿太も4球全て直球で一直に仕留めた。

 6回1/3を2失点で、今季4勝目。6月17日の巨人戦(Kスタ宮城)以来の白星に、「内容は全然ダメ。良かったのは走者を出してから粘れたこと。でも、2カ月ぶりぐらいの勝利なのでうれしい」と心底ホッとした表情を浮かべた。

 高卒1年目で3連勝と強烈なデビューを飾ったが、7月は4試合に登板し、防御率6・10。疲労はピークに達していた。「腕が振れていないし、自分が気づかないぐらい、疲れがきていたのかもしれない」。ファームでは1週間ブルペンに入らず、小さくなったフォームをキャッチボールで修正した。球宴中の休日には映画「BRAVE HEARTS 海猿」を観賞。一時、野球を忘れ頭を空にした。

 「(最近は)変にまとまろうとした。もっと自分の色を出そうと思った」。金沢のエースとして昨夏の甲子園では「北陸の超特急」として活躍した。大好きな夏を迎え、デビュー時のように直球で強気に押す本来の投球を取り戻した。

 これでロッテの藤岡に並ぶルーキー最多タイの4勝目。「それより(ソフトバンクの)武田君も3勝している。同級生の方が刺激になるし負けたくない」と勝負師の顔に戻った。8連敗からチームを1カ月ぶりの連勝に導いた。8月反攻へ、頼もしい18歳が帰ってきた。

 ▼楽天・星野監督(釜田について)あいつ、(野球は)9回というのを知らないんじゃないか。(出身地の)金沢では7回で終わるんじゃないか。7回になると必ず事を起こす。

 ≪釜田の4勝目まで≫

 ☆3勝目 6月17日の巨人戦(Kスタ宮城)、5安打1失点で2―1とプロ初完投勝利。高卒新人での巨人戦初登板完投勝利は25年ぶりの快挙。無傷の3連勝を飾った。

 ☆不調 7月27日の西武戦(Kスタ宮城)で5回8安打4失点KO。チームは7―7と引き分けたが星野監督は「野球をなめとる」と激怒。

 ☆2軍降格 翌28日に出場選手登録を抹消。5試合連続白星なし、直近3試合ではいずれも4失点以上と不本意な投球が原因。

 ☆1軍再合流 7日に塩見に代わり、1軍に合流。「心と体を整えて初心に帰った」

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2012年8月10日のニュース