木内前監督ガッハッハ!常総14点大勝 茨城勢7年ぶり勝利

[ 2012年8月10日 06:00 ]

<常総学院・杵築>3回無死三塁、常総学院・大崎は右越え適時三塁打を放つ

第94回全国高校野球選手権1回戦 常総学院14―0杵築

(8月9日 甲子園)
 第94回全国高校野球選手権1回戦は1回戦4試合が行われた。第4試合では3年ぶり出場の常総学院(茨城)が、初出場の杵築(きつき=大分)に14―0で大勝し、2回戦に進出。3回には打者15人の猛攻で一挙10点を奪い、茨城県勢の夏の甲子園連敗を6で止めた。第1試合では昨夏4強の作新学院(栃木)が吉田紘大外野手(3年)の代打逆転本塁打などで佐久長聖(長野)を下し、初戦を突破した。

 帰ってきた。やっぱり木内野球には甲子園がよく似合う。走って、打って、隙を突く。常総学院のアルプス席では、あまりの猛攻に木内幸男前監督のガッハッハ笑いが止まらなかった。

 「強気の押しが当たったっぺ。オレならどじょうは二匹いねえと思って堅くいっちゃって、こんな点取れねえよ」

 猛打のプロローグは初回だ。西武・大崎の弟・健吾が遊撃後方へのポテンヒットで二塁を陥れた。「いきなり見せ場が来たので足を見せようと思って」。ヘッドスライディングで足を意識付けすると、2敵失を誘い、杵築・永野から4点を先制した。3回には先発の菅原、守備固めの石井、そして大崎の三塁打など8安打10点。3回までに先発全員得点、4回で先発全員安打を達成した。

 木内監督率いる取手二の二塁手として84年夏に優勝し、昨秋から恩師の後を引き継いだ佐々木力監督は言った。「木内監督の機動力野球は選手の体が覚えている。教えを変えずにやってきた。選手がいつも通りやってくれた結果です」。代えた選手が次々に活躍する木内マジックは「まねできない」と言うが、3年ぶり出場で茨城県勢夏の連敗も6で止めた。自身は初陣1勝。「選手がくれた1勝。うれしい」

 2回戦の相手は奪三振記録をつくった桐光学園・松井。木内前監督は「1つ勝ったから18三振くらいで済むんじゃねえか」と笑い、こう続けた。「佐々木がうまく選手の気持ちを解放した。強くなるっぺ」。それは松井攻略へのマジックの予見だった。

 ▼西武・大崎(03年卒OB)佐々木監督は高校時代、担任の先生だったので監督の初勝利はとてもうれしい。弟(健吾)も良いスタートを切れたのではと思う。次はぜひ桐光学園を倒してほしい。

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