田島 緊急登板も20戦連続無失点 防御率は驚異0・36

[ 2012年8月10日 06:00 ]

<中・広>6回、緊急登板した中日・田島は2回を無失点に抑える

セ・リーグ 中日2-1広島

(8月9日 ナゴヤD)
 またしても肝っ玉ルーキーが窮地を救った。中日先発・ソトのアクシデントによる降板を受け、6回途中から緊急登板した田島が2回を無失点。チームに5連勝を運んだ。

 出番は突然だった。6回無死、ソトが東出にカウント2―1とした時点で左太もも裏に強いハリを訴え、治療のためベンチへ。ブルペンで光景を見ていた田島の体内には一瞬でアドレナリンが駆け巡った。「(ナインがマウンドに)集まった時点で投げていました」。5回までに肩を1度つくっていたため、約10球だけの投球練習でマウンドへ。確実に2回を零封し、後続にバトンを渡した。

 この3連戦の初戦でも5回終了後、高木監督がブルペンを映すモニターで武藤を田島と見間違え、田島を指名。名前を聞き違えた権藤投手コーチが武藤をマウンドに向かわせる中、監督が「田島」と名前を球審に告げていたため、準備もそこそこに登板して2イニングを抑えていた。中1日の連続スクランブル。それでも右腕は「いつも通り普通に肩を作って、いつも通り、普通に投げてきました」と涼しい顔だった。

 竜投の命綱には新人王も見えてきた。36試合に登板し、防御率は驚異の0・36。同一リーグ相手にはプロ入り以来、40回を投げ、いまだ自責点を記録していない。指揮官も「頼りになりますよ、彼は」と絶大な信頼を寄せる。新人王へ最大のライバルとなる広島・野村の目の前で、田島がこれ以上ない存在感を示した。

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2012年8月10日のニュース