イチ「前向きな挑戦」古巣へ新天地へ思い語る

[ 2012年7月25日 06:00 ]

ヤンキース移籍の記者会見をするイチロー。左はヤンキースのジラルディ監督

イチロー ヤンキース移籍

 【イチローと一問一答】

 ――長年、慣れ親しんだマリナーズから移籍。

 「11年半、ファンの方と同じ時間、思いを共有したことを振り返り、自分はマリナーズのユニホームを脱ぐと想像した時に、大変寂しい思いになりましたし、今回のこの決断は大変難しいものだった。マリナーズの経験を誇りに思い、胸に秘めてこの先、前進していきたいと思っている」

 ――移籍球団の希望はあったのか。

 「希望はありましたけど、ここでなくては、というものはなかった。僕のことを必要としてくれるチームということが大前提でした」

 ――ヤンキースに決まった今の心境は。

 「結果的には一番勝ってないチームから一番勝っているチームに行くことになるので、テンションの上げ方をどうしようかなと思っています」

 ――トレード移籍を受け入れた理由。

 「前向きな要素、前向きな挑戦というものが必要だし、それにトライしてみたいという思いが芽生えた。いろんなことを考える中でネガティブなこともたくさん考えました。“ノー”というと、ネガティブな挑戦がそこに待っている。ただ“イエス”と言えば、凄く前向きな挑戦が待っている。どっちを取るかというのは迷いはない」

 ――今回決断をするにあたって家族の反応は。

 「家族は僕の決断についてきてくれる。そういうはっきりとした決意を示してくれたので、支えになっていました」

 ――今季は調子が良くない中での移籍。

 「今のヤンキースの状況を考えれば、少しでも力になりたいという思いでいっぱい」

 ――左翼への不安は。

 「最後にプレーしたのは1年目のプレーオフの実はヤンキースタジアムだった。そのことを僕の体はしっかりと記憶しているので問題ないと思います」

 ――ヤンキースタジアムはフェンスが近い。

 「球場の大きさというのは野球の質とか、そういうものに確かに影響するので、打つことだけではなくて、守備にもそれが影響してくることであるので、そこはアジャストしたい」

 ――背番号は31。

 「51番は確かに僕にとって、特別な番号ですけれど、ヤンキースで51番はとても…。現段階では、僕の方から、お断りと言うか、とても着けることはできなかった。(31は)フィーリングでしょうね。イチっていうのが欲しかったなということはあります。響きと、サインを書いたときのバランスと」

 ――身に着けた印象。

 「着てると、あまり見えないでしょう?背番号も全然見えない。鏡も全く見ていない。でも、似合わないはずはないはずで、これからモノにしていきたいと思っている。(川崎の背番号)61という選択もあったんだけどね、それは微妙だと思ってやめました」

 ――ニューヨークでの新しい挑戦は。

 「(ジラルディ)監督が横におられますが、インタビューの受け答えがうまい。これから僕も対策をしていかなくては、と思う」

 ――主将のジーターについてどう感じるか。

 「長い間、結果を出している人間、安定した結果を出している人間、そして、一番勝つことを命じられているチームの中で、ああいった存在で居続けられることというのは、ポテンシャルだけでは成立しない。そこに確かな人間性が存在していると想像している」

 ――マリナーズの思い出は。

 「あまりにも長い時間を過ごしてきたので、一つ挙げることはできないですね。(熟考して)この間で察してください。ただ、この先、ヤンキースのプレーヤーとして勝ちを重ねていきたいって…。やめます、これは。危ない。中止」

 ――慣れ親しんだシアトルで移籍初戦だった。

 「このタイミングでこうなるっていうのは、きょうしかなかった訳ですから、まあ何かがあったんでしょうね。狙いを定めていた訳ではなかったでしょうから」

 ――本拠地の顔から状況が変わる。

 「人が(顔だと)言ってくれることは大変ありがたいですけど、僕は顔だなんて思っていない。そこに対して特別な思いはない」

 ――ヤンキースのクラブハウスで感じたことは。

 「きょう一日だけ(の感想)ですけど、ダッグアウトもそうですが、流れている空気というものが、凄く落ち着いている。気持ち良かった。静かな訳ではなく、ただうるさいだけでもない。バランスが好きだと感じた」

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