東尾修氏がパを占う あえて言うなら西武が上向き 混戦はどこまで続くか

[ 2012年7月25日 15:37 ]

 【東尾修氏がパを占う】 佳境の8、9月。上位チームがグッと詰まってきたパ・リーグは、最後まで混戦が続くだろう。

 復調気配がうかがえるのは勝率5割近くに戻した西武だ。片岡不在、中村は本調子ではないが、秋山、大崎ら下位打線が頑張っている。このように新たな戦力はチームに活気をもたらす。

 ロッテなら井口、日本ハムは稲葉、楽天は松井稼…。経験豊富なベテランが奮闘している。ここに、若手の選手が融合してくれば…。例えば楽天の打線は知名度こそないが、枡田らがうまく機能している。派手さはないものの、「ベテラン+若手」がいかに一体となるか。混戦から抜け出すカギの一つだ。

 ロッテ、日本ハムの上位2チームは一時期に比べれば下降気味。ロッテは若い投手が頑張ってきたが、ドラフト1位の藤岡がばててきた。日本ハムはダルビッシュの代わりに吉川が出てきて、打線も活気がある。しかしはっきり言って、どのチームも決め手に欠ける。昨季の日本一・ソフトバンクも馬原が欠け、ファルケンボーグもおらず…。チームに勢いがない。現段階で「ここが優勝」と予想できない。それほどの混戦が続くとみる。

 あえて上向きのチームを言えば、西武だろう。自分も監督時に豊田を先発から抑えにしたが、エースが1年間守護神を務めるのは難しい。チームはここ3年以上抑え役が不在。涌井の転向が吉と出るか。注目の一つであり、西武が抜け出すためのキーマンでもある。(スポニチ本紙評論家)

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2012年7月25日のニュース