元事件記者の清武代表 「負けないだけの材料は持っているはず」

[ 2011年11月11日 20:35 ]

 11日の記者会見で、渡辺恒雄球団会長を強く批判したプロ野球巨人の清武英利球団代表(61)。親会社の読売新聞社会部記者として経済事件の取材などを数々手掛けた。周囲の評は「正義感が強い」「負けるけんかはしない」。唐突な会長批判は義憤からなのか。真意は不明のままだ。

 巨人のキャンプ地、宮崎県出身。1975年に読売新聞に入社、東京本社社会部で警視庁捜査2課や国税庁を担当し、証券会社の損失補?問題などを取材した。当時を知る関係者は「綿密な取材をする記者だった」と振り返る。

 東京本社運動部長だった2004年8月、巨人が大学生の有力投手に裏金を渡していた事実が発覚。引責辞任した球団首脳の後任として代表に就任した。

 生え抜きの若手選手の強化などに力を入れる一方、プロ野球界の改革にも積極的に関与。フリーエージェント(FA)制度改革にも携わった。代表就任直後の04年秋、球界再編をめぐり選手会のストライキにまで発展した時には、交渉の矢面に立った。

 記者会見では渡辺会長に「不当な鶴の一声」と厳しい言葉を投げつけ、反旗を翻した。新聞社時代の部下の一人は「隠し事や、上だけで物事を決めたりするのが嫌いな人。清武さんらしい」と理解を示す。清武代表をよく知る人は「経済事件取材の専門家なので、渡辺会長に負けないだけの材料は持っているはずだ」と話した。

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2011年11月11日のニュース