野球ファンは「思い切った行動」評価、冷たい声も…

[ 2011年11月11日 20:28 ]

 プロ野球巨人の清武英利球団代表(61)が11日、球団社長らをないがしろにしてヘッドコーチに江川卓氏を推す渡辺恒雄球団会長(85)を「内部統制と健全な企業体質を破る行為」と公の場で批判した。企業の論理で生きる会社員や野球ファンの声を聞いた。

 東京の新宿駅前。建築資材会社の管理職(65)は「僕なら、だめ上司でもなんとか説得して仕事をまとめる。清武さんのような思い切った行動は、サラリーマン社会じゃなかなかできないね」とたたえる。

 「江川さんといえば、30年以上前にも巨人入りをめぐってドラフト会議のゴタゴタがあった。またかという感じ。懲りないね」とも。

 40年来の巨人ファンという営業職の男性(53)は「もし清武さんが辞めさせられるならファンをやめる」と憤慨。「ナベツネさんはいずれ江川さんを監督にしたいのだろうが、現場を無視している。読売新聞がこの騒動をどう報じるのか興味がある」とまくしたてた。

 新橋駅前。名古屋から出張中の会社員秋田高典さん(55)は「人事を直前にひっくり返されて腹を立てるのは当然だ。でも結局は内紛。巨人が一枚岩じゃないことを公にした」と同情的だ。

 かつて巨人ファンだった横浜市の男性会社員(54)は、今の巨人に見たい選手がおらず、つまらないという。「渡辺さんが人事に介入するのは今に始まったことじゃない。なぜ清武さんは今ごろ告発したんだろう」と首をひねった。

 日本シリーズ第1戦が12日に開かれる福岡市のヤフードーム。ソフトバンクファンのフリーライター三河憲一さん(44)=福岡市=は「巨人も大変だね。渡辺会長はもうお年なので、引退しておとなしくしてほしいね」。東京から出張中の会社員福田順さん(44)は「パ・リーグの方が、新しい球団もあるし野球が面白い」と言い切った。

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2011年11月11日のニュース