清武代表 言葉詰まらせ“上司”批判「鶴の一声で覆された」 

[ 2011年11月11日 17:52 ]

 「プロ野球を私物化する行為は許せない」。プロ野球巨人のヘッドコーチ人事で渡辺恒雄球団会長から不当な介入があったとして11日、記者会見した清武英利球団代表。目を赤くはらし、言葉を詰まらせながら「鶴の一声で覆された」と悔しさをにじませ、渡辺氏への激しい批判を繰り返した。

 黒いスーツにネクタイ姿の清武氏は弁護士を伴い、緊張気味に約100人の報道陣が待つ文部科学省の会見場へ。用意した声明文で、当初了承したはずの人事方針を渡辺氏が突然転換し、江川卓氏にヘッドコーチを要請したことの経緯をよどみなく読み上げた。

 「選手やコーチの基本的人権をないがしろにした」「ファンを裏切る暴挙」。身ぶり手ぶりを交え「コンプライアンス(法令順守)を破るのが、渡辺氏のような最高権力者であっては断じてならない」と強い口調で非難した。

 「野球は夢を与えるスポーツ」「巨人やファンを愛している」と述べると、感情を抑えきれなくなったのかハンカチで目頭を押さえる場面も。

 質疑で「巨人の内紛ではないか」と尋ねられると「歴史ある巨人の動揺は、プロ野球ファン全体に不信感を与える」と語気を強めて反論。球団内の渡辺氏の影響力について「大きな力」と評しながらも「覚悟を持って話さなければ物事は変わらない」と言い切った。

 会見は約40分。自らの辞任は「仕事が残っている」と否定し「会社に胸を張って帰り、現場の皆さんと話をする機会を持ちたい」と語った。

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2011年11月11日のニュース