成瀬“キレキレ”毎回11K!今季3度目の完封!

[ 2011年7月9日 06:00 ]

<ソ・ロ>完封勝利を挙げ、笑顔をみせる成瀬(右はカスティーヨ)

パ・リーグ ロッテ4-0ソフトバンク 

(7月9日 ヤフーD)
 ロッテ・成瀬が最後に選んだのも直球だった。9回2死三塁。カブレラに対して、1ボール2ストライクから迷わず内角高めを狙った。切れのある139キロでバットに空を切らせ、毎回となる11奪三振。6勝目を今季3度目の完封で飾った。

 「球が走っていたから、直球勝負ができた。120球弱で投げ切れたのは次につながるので良かった」

 球界屈指の2人の右の強打者を直球でねじ伏せた。小久保から2個、カブレラから3個。計5個の三振は、すべて高めの直球で空振りさせた。6回2死一塁の小久保は、直球を続けて3球三振に仕留めた。本来の生命線は、右打者の外角へのスライダー。自在に制球できる球を、この日はほぼ封印した。

 最近5試合で1勝4敗。勝ちきれない試合を「勝負どころで中途半端に甘く入って打たれる」と振り返った。調子はいいのに勝てない。「正直、へこんでいます」。思わず弱気な言葉もこぼれた。

 この日もわずか1四球。今季13試合99回を投げ、四球はわずか8。死球はゼロ。外角スライダーも、あまりにも正確無比なら踏み込まれる。抜群のコントロールは、狙い球も絞られやすかった。「真ん中でもいい」と割り切って腕を振った結果、直球が増えた。その高めのボール球に外角のスライダーを意識してきた右の強打者たちは手を出した。切れがあるから空振りもとれた。「今までの中で一番楽だった」と左腕は笑顔を見せた。

 西村監督は「成瀬は初回から落ち着いていた。ただ、これで(6勝6敗の)五分だからこれからです」。大胆に攻める。首位・ソフトバンク相手に、エースが自信を取り戻した。

 ▼ロッテ・渡辺正(6回2死一、二塁から左中間2点二塁打)狙い通りの打撃ができた。きのうのランニング本塁打もそうだけど、いい感じで打てている。

 ≪史上4人目の快挙≫成瀬(ロ)が毎回の11三振を奪う力投で今季3度目の完封勝利。毎回奪三振は5月20日ヤクルト戦の田中(楽)以来。ロッテでは09年9月25日オリックス戦の成瀬自身以来12度目になるが、1人で2度は成田文男(1度目は東京時代)、伊良部秀輝に次ぐ3人目の球団最多タイ記録だ。また、成瀬は2度とも完封試合で達成。完封&毎回奪三振を2度以上は、江夏豊(神)の3度を筆頭に、金田正一(国鉄)、阿波野秀幸(近)に並ぶ史上4人目の記録になった。

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2011年7月9日のニュース