ジーター、3000安打へあと2!でも苦笑い

[ 2011年7月9日 06:00 ]

通算3000安打へあと2本としたヤンキースのジーター

ア・リーグ ヤンキース1-5レイズ

(7月7日 ニューヨーク)
 偉業達成へあと「2」!ヤンキースのデレク・ジーター内野手(37)が7日(日本時間8日)、レイズ戦で初回に中越え二塁打を放ち、通算3000安打へあと2本とした。球宴前の残り3試合は全て地元ニューヨークでの主催試合。8日(同9日)のレイズ戦にも、ヤンキースの選手として史上初となる3000安打の金字塔を打ち立てる。

 私服に着替えて会見場に現れたキャプテンは苦笑いを浮かべていた。観衆4万7787人が固唾(かたず)をのんで見守る中、第1打席で安打を放ちながら、一気の記録達成はお預けとなった。

 「記録を意識していなかったと言ったらうそになる。1打席目に1本出たから、自分でもあと何本か打てると思った」

 金字塔へあと3本で迎えたこの日。地元での一戦には、歴史的瞬間を目撃しようと、両親や92年ドラフト時に自身の担当だったディック・グロック・スカウト(現ブルワーズ)も駆けつけた。打席ごとに観客は総立ちで声援を送るフィーバーぶり。それでも「ファンの声援は素晴らしいが、打席に入れば変わりない」と冷静で、初回には甘く入った初球を中堅左に運び、通算2998安打とした。

 伝統あるヤンキースの生え抜き選手で主将。チームを5度世界一に導いたカリスマ性に加え、その甘いマスクから全米で絶大なる人気を誇り「貴公子」の異名を持つ。唯一無二と言われる統率力は、かつて同僚だったアスレチックス・松井が「彼より技量的に優れた選手は他にもいるけど、あれほど強烈なキャプテンシーを持った人間はいない」と舌を巻くほど。2000安打へ64本で迎えた06年には、同じく到達まで65安打だった松井に、どちらが早く達成するか賭けを持ち込むなどおちゃめな一面もある。

 今季は不振が続き現在打率は・257。6月13日には右ふくらはぎの肉離れで故障者リストに入り、独立記念日の7月4日にようやく復帰した。チームはこの日の敗戦で首位陥落となったが、自身は目下3試合連続安打中で調子は上向き。「自分のやるべきことをやる。あすは2、3本ヒットを打てるように頑張る」。ニューヨークの貴公子がきょうこそ決める。

 ☆生まれ 1974年6月26日、ニュージャージー州生まれの37歳。高校を卒業した92年のドラフト1巡目(全体6番目)でヤンキース入団。現在は主将を務める。

 ☆通算成績 95年5月29日マリナーズ戦でデビュー。ヤ軍一筋で通算2361試合で打率・312、236本塁打、1157打点、330盗塁。

 ☆タイトル 96年に新人王、00年には史上初となる球宴とワールドシリーズでMVPをダブル受賞。球宴出場は今季で12度目。ゴールドグラブ賞4度獲得。96、98~00、09年に世界一を経験。

 ☆プライベート 人気歌手のマライア・キャリーら数々の有名人と交際。03年には故ジョージ・スタインブレナー・元オーナーには私生活の乱れを批判された。

 ☆確執 当時レンジャーズで現ヤンキースのロドリゲスとは一時期不仲説が流れた。雑誌のインタビューで、ロドリゲスが「ジーターは自分ほどのパワーや守備力もない」と公然と批判したことが原因だった。 

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