福島から避難の高2 長野大会で始球式

[ 2011年7月9日 16:35 ]

全国高校野球選手権長野大会の開幕試合で始球式を務める、福島県南相馬市出身の転入生、大谷祐貴君

 長野県の松本市野球場で9日に始まった全国高校野球選手権長野大会の開幕試合で、福島県南相馬市から長野県木祖村に避難している木曽青峰高校2年大谷祐貴君(16)が始球式の投手を務めた。

 自宅が福島第1原発の20キロ圏内にある大谷君は震災前、相馬東高校(福島県相馬市)の野球部に所属。一塁手だった。長野県高野連から参加を打診され「被災地に元気な姿を見せたい」と名乗りを上げた。

 「震災で亡くなった先輩や福島にいる野球部の仲間に向けて投げる」と意気込み、マウンドに。投球は高めに外れたが威力は十分で、審判や大会関係者から「さすが球児」と声が漏れた。

 現在は親戚宅で生活。家計に負担は掛けられないと、野球は中断している。大役を終え「次は福島のみんなとプレーしたい」と静かに語った。

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2011年7月9日のニュース