松坂 打球が左腹部直撃…4回途中5失点KO

[ 2011年5月18日 06:00 ]

<レッドソックス・オリオールズ>初回、先頭打者ロバーツの打球が松坂を直撃(撮影・青木芳治通信員)

ア・リーグ レッドソックス8-7オリオールズ

(5月16日 ボストン)
 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が16日(日本時間17日)、メジャー通算50勝をかけてオリオールズ戦に先発。打球が左腹部を直撃するアクシデントもあり、今季ワーストの7四球。4回1/3を5安打5失点で降板した。チームは最大6点差をはね返してのサヨナラ勝ちで4連勝、今季初の貯金1。好調の打線に支えられ負けはつかなかったが、中4日で臨む次回21日(日本時間22日)のカブス戦は、真価を問われる登板になる。
【試合結果】

 逆転サヨナラ勝ちを祝うナインの輪に、松坂の姿はなかった。負けが消えても、笑える心境にはない。試合後の会見では自問自答を繰り返した。

 「(直球に手応えが)全くないです。(原因は)分からないですね、今はまだ。きょうも腕は全然振れてなかった。分からないです」

 試合開始直後、ロバーツに初球をはじき返された打球が左腹部を直撃。痛々しく顔をしかめた。「試合中は大丈夫だった」と影響は否定したが、盗塁、四球で無死一、二塁とピンチを招き、3番リーに左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びるなどこの回2点を失った。

 直球が走らない。最速は91マイル(約146キロ)で、ほとんどが140キロ台前半。変化球主体に切り替え、右打者には外角低めのスライダーで打ち気を誘ったが、左打者用のチェンジアップは、直球に球威のないこの日は、見極められてボールゾーンへ沈んだ。今季最多7四球のうち、5人の右打者に2つに対し、4人の左打者には5つ。「(変化球多投は)テック(捕手バリテック)の判断。直球があまり良くなかったので、そうなったと思う」と話した。

 登板前から不安はあった。中7日の登板間にはチーム内ではやっている風邪をこじらせ、前々日のブルペン投球はわずか14球で切り上げた。頭痛と喉痛を抱えるコンディションに打球直撃が重なった。テリー・フランコナ監督も「何が起きているのか、話し合う必要がある。何かがうまくいっていないのは確か」と会談を持つ考えを示した。

 腕を振れない原因を「どっちですかねえ。技術的な修正は常にあるので。(体調面と)どっちかな…どっちもですね」と首をひねった松坂。サヨナラで4連勝を飾ったとはいえ、レ軍の先発陣の台所事情は厳しい。この日は一角を担うラッキーが故障者リスト(DL)入り。メジャー通算50勝を懸けた次回は、福留が所属するカブス戦に中4日で臨むことになった。残されている修正時間は、決して多くない。

 ▽松坂の打球直撃 打球への反応が速い松坂が、ライナー性の打球を体に直接受けたのは、メジャーで初めて。今季も4月23日エンゼルス戦の2回にカヤスポのライナーが顔面付近に来たが間一髪でよけた。日本時代では、04年8月17日のアテネ五輪予選リーグ、キューバ戦の4回にグリエルのライナーが右上腕部に直撃。続投を志願し、8回1/3を7安打2失点で勝利投手に。日本球界での最後の勝利となった06年9月19日のソフトバンク戦では、8回に右手首に打球直撃も完投で勝利した。

続きを表示

この記事のフォト

2011年5月18日のニュース