原巨人、帰って来た阿部から逆転!交流戦“快幕”

[ 2011年5月18日 06:00 ]

<楽・巨>9回2死、中前打を放つ阿部

交流戦 巨人4-3楽天

(5月17日 Kスタ宮城)
 帰ってきた主将が、逆転劇の口火を切った。7年目を迎えた交流戦が17日に開幕し、巨人は楽天と対戦。右ふくらはぎ肉離れから同戦で1軍復帰した阿部慎之助捕手(32)が1点を追う9回2死走者なしから今季初安打となる中前打で出塁。矢野謙次外野手(30)が同点、円谷英俊内野手(26)が勝ち越しの適時打を放ち、土壇場で試合をひっくり返した。主役と脇役がかみ合っての逆転勝利で、巨人は勝率5割に復帰した。
【試合結果】

 1点を追う9回2死走者なし。その土壇場で阿部がサンチェスの155キロ直球を中前に運んだ。

 「何とかいい方向に持っていきたい。そういう仕事がしたいと、とにかく塁に出ることを考えて打席に立った」。4月5日の阪神との練習試合(相模原)で右ふくらはぎを肉離れ。離脱中、チームは苦戦が続いた。それだけに、ここで凡退するわけにはいかなかった。

 当初は6月上旬の実戦復帰が濃厚とみられていたが、驚異的な回復で戻ってきた。2軍調整中は練習開始時間より1時間以上早い7時30分に、川崎市ジャイアンツ球場に到着。「やれることからやっておきたい」とエアロバイクをこぎ、ストレッチで体を温めた。満足に走れなかった負傷直後は、練習後にプールで歩行運動も行った。

 新たな武器も加えた。契約するアンダーアーマーのスパイクだ。負傷後、患部に負担をかけないようにと13ミリあった歯を5ミリ削った。歯が刺さりやすく、なおかつ抜けやすくすることで足への負担を軽減する狙い。肉離れの再発予防に、有酸素運動をより多く取り入れることで体重も3キロ絞って94キロとした。7回2死二塁の第3打席でも四球を選び、次打者の長野の適時打につなげた。公式戦初バッテリーを組んだ中大の後輩・沢村については「結果的に勝ちをつけてあげられず、反省してます」と話したが、それでも自身の復帰初戦を白星で飾り「素直にうれしい」。9回に同点適時打を放った矢野も「阿部さんが帰ってきた試合。勝ちたかった」と言葉に力を込めた。

 小笠原、高橋由、亀井…。故障者続出の中、チームの精神的支柱の阿部が復帰し逆転劇の口火を切った。チームのムードは最高だ。

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