山崎弾で楽天開幕連勝!闘将の手荒い祝福に「グラッ」

[ 2011年4月14日 06:00 ]

<ロ・楽>7回、楽天の山崎が左越えに本塁打を放ち星野監督に手荒く出迎えられる

プロ野球 パ・リーグ 楽天5-1ロッテ

(4月13日 QVC)
 オヤジパワーよ、東北まで届け!楽天の4番・山崎武司内野手(42)が13日、ロッテ戦(QVCマリン)の7回に今季1号3ラン。チームを09年以来2年ぶりの開幕連勝に導いた。史上11人目となる実働21年連続となったベテランの本塁打は、開幕戦の嶋基宏捕手(26)に続く値千金の一発。星野仙一監督(64)との師弟コンビも復活し、山崎はプロ25年目を迎えても衰えぬパワーで東北に勇気を送り続ける。
【試合結果】

 バシッ!強烈な祝福だった。勝利を決める3ランを放った山崎はベンチに凱旋すると、星野監督に頭を思い切り叩かれた。

 「グラッときた。いつ以来?遠い昔だから分かんないよ。でも、あれが監督の気迫なんだよね。喜んでくれて僕もうれしい」。

 1点差に追い上げられた7回2死二、三塁。星野監督から「おいしい場面やぞ」と送り出された。打席に入っても闘将の絶叫が聞こえてくる。「タケシ、行けえ~」。伊藤の初球はボールになる外角スライダー。打者有利なカウントで直球は投げてこない。「次はストライクになるスライダー。それをシバきあげる」。狙い澄ました一発を、楽天ファンが待つ左翼席に叩き込んだ。今年から導入された飛ばない統一球。42歳は「ちょっと詰まった」と振り返ったが、中段席に届く豪快なアーチで衰えないパワーを見せつけた。

 中日に入団したプロ1年目の87年に、星野監督も指揮官に就任。以来11年間にわたって愛のムチを受け続けた。10年ぶりの師弟コンビ復活。山崎は言う。「年は取ったけど、人間変わらない。ベンチで監督の声が一番聞こえるんだから」。闘将のすさまじい勝利への執念。それがゲキとなって響き渡る。山崎はおとなしいチーム体質に不満があっただけに「楽天に足りなかったもの。若い選手に監督の気迫が伝わればチームも変わる」と期待している。

 【山崎と星野監督】

☆プロ入り 86年オフに、球界史上初の戦後生まれの監督として星野監督が中日監督に就任。山崎は同年ドラフト2位で捕手として入団し、現在も「自分を指名してくれた監督」と恩義を感じている。

 ☆ともに武闘派 96年5月1日の巨人戦(ナゴヤ)で、ガルベスの頭部付近への投球に山崎が激怒。乱闘の末に両者退場となったが、星野監督も山崎に負けない迫力で「乱闘も野球のうちやないか!」。

 ☆信頼関係 96年から3年連続でキャンプ初日に風邪でリタイア。星野監督から説教されたが、左手首骨折で全試合欠場した99年のダイエーとの日本シリーズでは、星野監督から「福岡にもついてこい」と中心選手としてビジター球場にも呼ばれた。

 ☆再会 昨年11月2日に星野監督がKスタ宮城での秋季練習を視察。指揮官の「俺が(プロに)迎え入れて、今度は送り出すのか。俺は最近“おくりびと”と呼ばれてる」との冗談に「いきなり引退勧告ですか?」と苦笑い。

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