巨人に衝撃!阿部 肉離れ?開幕は絶望的に

[ 2011年4月6日 06:00 ]

練習試合<巨・神>4回2死一、二塁、藤井のファールを追い、右足を負傷した阿部(上)は村田コーチに背負われベンチに引き上げる

練習試合 巨人2―3阪神

(4月5日 相模原)
 巨人に衝撃が走った。5日の阪神との練習試合(相模原)で、主将の阿部慎之助捕手(32)が右ふくらはぎを負傷した。

 4回表の守備機会中に痛め、そのまま都内の病院に直行。磁気共鳴画像装置(MRI)などの検査を受けた。診察結果の発表はなかったが肉離れの可能性が高く、12日に迫った開幕戦(対ヤクルト・山口宇部)の出場は絶望的な状況となった。

 阿部の絶叫が無観客のスタンドに響いた。4回2死一、二塁。藤井の一塁ファウルゾーンへの飛球を追いかけようと立ち上がった主将が「アァー!」とうなり声を上げた。右ふくらはぎに手をやり、中腰の体勢をとったまま動けない。駆けつけた村田バッテリーコーチの「歩けるか?」との問いに「痛い」と苦悶(くもん)の表情を返すのが精いっぱい。同コーチに背負われ、ベンチ裏のトレーナー室に消えた。

 都内の病院に向かうため、マネジャーの車に乗り込む際も自力歩行は不可能。水沢1軍監督付に背負われ、押し込まれるように乗った。原監督は試合後、検査結果が判明する前であったため「仮定の話には応じない」とした上で「順調に来てましたけどね。どういうふう(結果)になるのかですね」と顔をしかめた。

 扇の要である阿部は、唯一無二の存在だ。01年の入団から正捕手を務め、昨季は140試合に出場し打率・281、44本塁打、92打点。今季も開幕日が二転三転する難しい調整の中で、3月29日の広島との練習試合(マツダ)では昨季の沢村賞右腕・前田健から本塁打を放つなど、順調な仕上がりを見せていた。打撃面だけでなく、不動の女房役を欠けば投手陣にも大きな影響が出てくる。

 4・12開幕まで1週間と迫った中でのチームリーダーの負傷。「軽症に越したことはないというふうに思っているけれど、どういう状況にいても、待ったなしでシーズンが始まる。チームは動けるわけですから」と前を向いた指揮官だが、長期離脱となればV奪回を目指すシーズンへあまりにも大きな痛手となる。

 【阿部の過去の負傷】

 ▼左足外側広筋内血腫 02年6月24日広島戦(札幌ドーム)の8回、本塁に突入した三塁走者をブロックした際に左太腿を強打。トレーニング再開まで約3週間の安静とされたが、驚異的な回復で7月16日横浜戦(東京ドーム)で22日ぶりに復帰した。

 ▼右肩後方関節唇損傷 03年8月17日に右肩痛で出場選手登録抹消。痛みが引かないため同20日に再検査を受けた結果、全治6週間の重症だったことが判明。シーズンの残り試合を欠場した。

 ▼右脇腹肉離れ 04年8月20日広島戦(広島)で本塁打を放った際に右脇腹を故障。全治4週間の診断でシーズン中の復帰は絶望視されたが、わずか22日後の9月11日ヤクルト戦(東京ドーム)で復帰。

 ▼右肩関節挫傷 優勝マジック2で迎えた08年10月10日ヤクルト戦(神宮)の6回、二塁走者として帰塁した際に右肩を強打。原監督の胴上げには参加できなかったが、治療を終えて右腕を三角きんでつった状態で祝勝会に参加した。

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