中田 プロセス重視で2安打 それでも梨田監督「手放しには喜べない」

[ 2011年4月6日 12:10 ]

練習試合 日本ハム2―3ソフトバンク

(4月5日 ヤフードーム)
 日本ハムの中田翔内野手(21)が5日、ソフトバンクとの練習試合(ヤフードーム)でマルチ安打をマークした。開幕投手に内定しているソフトバンクのエース左腕・和田の決め球チェンジアップを、2打席続けて左前へ。チームが4安打と沈黙した中で、1人で2安打を記録した打撃はひときわ輝きを放った。4番の座こそ右手首骨折から復帰した小谷野に明け渡したが、恐怖の7番打者として開幕への臨戦態勢は整っている。

 逃げるように落ちていくチェンジアップを、再現映像のように2打席続けて捉えた。この粘り腰が今季の中田の真骨頂だ。2点を追う3回、先頭で左前打して同点劇を呼んだ。続く4回2死一塁でも左前打でチャンスメーク。3回は2ボール2ストライクから、4回は1ボール2ストライクからと両打席ともに追い込まれてから、ソフトバンク・和田の決め球を叩いたところに大きな価値がある。開幕が1週間後に迫っても、中田のスイングにぶれはなかった。

 「ヒットというより、最初の打席でボール球2つをうまく見極められたのが大きかったです。ああいうタイプの投手は、ボール球を振ってしまったらやられてしまう」

 中田はプロセスを収穫に挙げた。昨季までなら強引さが顔をのぞかせ、回転軸がぶれてしまいがちなケース。今季は脇を締め、バットが最短距離で出るよう意識した新打法に着手。ぎりぎりまで球を見極められる「間」が生まれたからこそ、低めのボール球を2球連続で見逃せた。後は、じっくり間近で確認した軌道に、バットを合わせるだけだった。

 3月29日のオリックス戦(札幌ドーム)で、そこまで12試合守り続けた4番の座を小谷野に明け渡した。だが、恐怖の7番打者として、これで30日の同戦から4試合連続安打。1度は手にしかけた開幕4番は来季以降へお預けとなったが、開幕戦となる4月12日の西武戦(札幌ドーム)へ状態は右肩上がりだ。その開幕前哨戦となった3月23、24日の西武2連戦(札幌ドーム)では、2試合連続本塁打という鮮烈デモ。本番のプレーボールを今か今かと待ちわびている。

 梨田監督は「和田の時と他の投手で全く違うから。2本打ったといっても、手放しには喜べない」と評し、藤田、馬原の中継ぎ投手に空振り三振、遊ゴロと凡退した残り2打席に注文をつけた。それも高い期待の裏返し。「チャンスをもらい、ここまで来た。あとは本番で結果を出したい」と繰り返す中田。真価が問われる勝負の4年目が、いよいよ始まろうとしている。

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2011年4月6日のニュース