敗戦にも存在感キラリ…西岡、初マルチ&初長打

[ 2011年4月6日 06:00 ]

<ヤンキース・ツインズ>5回2死、二塁から中越えに適時二塁打を放つ西岡剛 (撮影・青木芳治通信員)

ア・リーグ ツインズ3―4ヤンキース

(4月4日 ニューヨーク)
 天敵相手に西岡が燃えた。ツインズの西岡剛内野手(26)が4日(日本時間5日)、敵地のヤンキース戦で4打数2安打1打点。試合には敗れたが、メジャー初のマルチ安打とともに、5回の左中間適時二塁打で初長打をマークした。ツ軍はヤ軍相手に敵地で9季連続勝ち越しがなく、プレーオフでも9連敗中。西岡自身も憧れていたチームと全米中継デビューの晴れ舞台で対戦し、存在感をいかんなく示した。
【試合結果】

 憧れていた舞台のど真ん中。5回に適時二塁打を放ち、ヤンキースタジアムの二塁塁上に立った西岡は、崇拝するヤ軍の遊撃手、ジーターと言葉を交わした。

 「1打席目、2打席目もそんなに悪くなかった。今日はずっといい感じで打てていた。それが自然と結果に出たと思う」

 右腕のノバに対して1、2打席目は投ゴロと遊ゴロ。見た目には凡打だったが、ギリギリまで引きつけて中堅から逆方向を狙う打撃のイメージはつかんでいた。それが実ったのが5回2死二塁。外角寄りの直球を捉えて左中間へと運んだ。

 西岡はかつて「一度はピンストライプのユニホームに袖を通したい」と語っている。なかでもジーターは憧れの存在だ。06年WBCでは自ら英語で自己紹介し、3月13日のオープン戦でも対面して感激した。「新しい球場ですけど、歴史のある球団。日本でもヤンキースは凄く放送されるチーム。そのスタジアムに来られたというので興奮しました」。少年のように目を輝かせ、ESPNで全米中継された試合を振り返った。

 チームにとってヤ軍は天敵だ。敵地のレギュラーシーズンは02年以降9年連続で負け越し。この9年は、そのままロン・ガーデンハイアー監督の在任期間にあたる。ポストシーズンは本拠地ミネアポリスも含め9連敗中。ヤ軍を倒さなければ先には進めない。指揮官はキャンプから「ニシは対ヤンキース戦の秘密兵器」と指名していたが、その通りの働きを見せた。

 8回には新加入のヤ軍セットアッパー・ソリアーノから投手強襲の内野安打。前カードのブルージェイズ戦で精細を欠いていた守備も3併殺に絡むなど、本来の動きが戻った。だが、唯一どうしても欲しかった白星は手にすることができなかった。

 「負けは負け。勝てるチームなので、勝つためにどうにかしていきたい」と西岡。ヤ軍との相性についても「野球はどっちに転がるか分からないスポーツ。あと3戦あるので残り勝てるように集中していきたい」と前を向いた。昨季ロッテを「下克上」日本一へとけん引した男は、大物食いがよく似合う。

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2011年4月6日のニュース