松坂、プホルス斬り!154キロ直球で2の0

[ 2011年3月22日 06:00 ]

<レッドソックス・カージナルス>1回、プホルスを右飛に打ち取る松坂

オープン戦 レッドソックス3─10カージナルス

(3月20日 フォートマイヤーズ)
 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が20日(日本時間21日)のカージナルス戦で5回2/3を3安打2失点。現役最強打者のアルバート・プホルス内野手(31)には直球主体の真っ向勝負で2打数無安打1四球に封じ、最速96マイル(約154キロ)の速球に手応えを口にした。グラウンド外では東日本大震災の被災者へ、義援金と物資両面から検討を重ねている右腕が、野球と支援の両立を果たしていく。

 6回2死、プホルスに投じた3球目にネット裏のスピードガンは96マイル(約154キロ)を示した。今季最速で、シーズン中も数球しかない球速。結果はファウルも右手に残った手応えは十分だった。

 「プホルスはメジャーでも最高の打者。自分の状態を測る上で、これ以上ないバッターだと思いますし、厳しいコースでなくても打たれなかった。直球に関して安心できる状態にあると思う」

 3打席の対戦で、計13球。直球10球、カットボール3球でねじ伏せた。4回の2打席目は2ボールから直球勝負で二飛。「分かっている真っすぐを打たれなかったというのは質という点でも大丈夫。キッチリとコースにいかなくても、真ん中付近のボールで勝負ができていたと思う」と振り返る。この日は4三振を除く計13アウトで11アウトが飛球。打者の手元で落ちない伸びのある球でボールの下を打たせた。

 松坂は「力んで打者の手元で球威を欠いては意味がない。でも力を入れれば入れるほど、球威が出るのが理想」と話すが、心身両面がかみ合わなければ理想の感覚も確認できない。「対戦はラッキー。最初からスイッチが入って、最後は1段階上げることができた」。3打席目は四球だったが100%に近い中での球威を出せた。すべては「一番対戦したい打者」と話してきたプホルスの存在。10年連続で打率・310、30本塁打、100打点以上の最強打者が打席にいたからだった。

 会見では「正直、投げた後も話せる気分ではない」と語るなど東日本大震災には心を痛めている。野球も被災者への支援も、妥協はしない。義援金だけでなく、球団を通じてボストンの日本国総領事館と連絡を取り、不足している物資、輸送手段の確認を急いでいる。

 「僕は野球でたくさんの方から支えられ、力をもらってきた。野球から離れることはできない。その中でも、できることを全力でやりたい」。今後も野球と支援の両立を果たす。松坂はそう心に決めている。

 ≪倫世夫人も支援呼び掛け≫倫世夫人(36)は、この日行われたレ軍夫人会の会合で、あらためて東日本大震災の被災者への支援への感謝とともに今後の支援継続を訴えた。関係者によると、倫世夫人の熱い思いに、出席者からもさまざまな意見が上がったという。倫世夫人は自身のブログでも支援を呼びかけている。今後も夫妻一体となって、活動を行っていく。

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2011年3月22日のニュース