東北へ届け!嶋、思い込めた代打タイムリー

[ 2011年3月22日 06:00 ]

<広・ソ>広島6回2死満塁、代打・嶋が右前適時打を放つ

オープン戦 広島3―3ソフトバンク

(3月21日 マツダスタジアム)
 心優しい男が奮い立った。広島・嶋が21日のソフトバンクとのオープン戦(マツダ)で、東日本大震災の被災地への思いを込めた一打を放った。6回2死満塁、代打で登場して右前適時打。「食いついて、しぶとく打ちました。やるからには集中しないといけない」。宮城・東北高出身で、青春時代の3年間を仙台市で過ごした。現在も困難に立ち向かう第二の故郷に、あらゆる感情の詰まったタイムリーを届けた。

 11日に大震災が起こった直後には、テレビの生中継の映像で友人の自宅が津波で流される光景を目の当たりにした。屋根に避難して辛うじて救助された知人もいたという。「あのきれいな街が…」と言葉を失うほどショックは大きかった。

 今後は選手会を通じて義援金を送るなど、できるだけの支援をする決意を固めている。母校のセンバツ出場にも勇気をもらった。「僕が何らかの形で被災者の方々の力になれれば。それはここまでで終わりというのでなく、続けていかなくてはいけない」。東北への思いを胸に抱き、29日にプロ17年目の開幕を迎える。

 ≪伝説の“たる募金”復活≫試合前に広島・野村監督や選手が東日本大震災の被災者支援の募金を呼び掛け、526万6756円集まった。球団は義援金1000万円を送ることも発表した。創設時の球団を資金難から救った「たる募金」にちなみ、正面ゲートなどにたるを設置して実施。東北福祉大出身の石原選手会長は「選手のみんなが何かできることはないかと話していた。カープとして少しでも力になれれば」と話した。募金活動にはソフトバンクの小久保、松中ら主力も参加した。

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