打撃に守備に ベテラン阿部欠かせぬ存在

[ 2010年9月21日 06:00 ]

7月15日の日本ハム戦、5回裏2死で左越えに移籍後初本塁打となる1号ソロ本塁打(ホームラン)を放ち、ベンチの出迎えを受ける西武・阿部真宏

 2月のキャンプ中にオリックスからトレードで移籍した阿部真宏内野手(32)が、攻守でチームを支えている。「雰囲気は良いよね。夏の西武ドームは環境が良いとは言えないけど」と笑うプロ10年目。法大時代にチームメートだったG・G・佐藤や、佐藤、石井義など同級生が多いチームにはすぐに溶け込んだ。

 チームに求められた役割は堅実な守備だった。春先から、内野ゴロの多い帆足が登板するゲームには三塁でスタメン出場する機会が多かった。渡辺監督が「阿部ちゃんは意外とパンチ力がある」と評する打撃でも存在感を見せた。7月15日の日本ハム戦(西武ドーム)では移籍後初アーチも記録。7月下旬から約1カ月は2軍で過ごしたが、優勝争いが佳境に入ると、相手先発が左腕の際にはスタメンに名を連ねた。「優勝争いするのは近鉄の時以来」と、移籍1年目での優勝争いを楽しんだ。
 「オレは1カ月1軍にいなかったからなあ」と苦笑いをするが、自らの仕事はしっかりとこなすタイプだ。9月11日に優勝マジック「8」が初点灯すると、翌日のロッテ戦(西武ドーム)と、14日のオリックス戦(京セラドーム)では2試合連続タイムリーを放ち、チームに勢いを付けた。ウエスタン・リーグ時代から知るチームの野手最年長・平尾とともにベンチの盛り上げ役もこなした。
 2月にチームに加わった際の第一印象は「西武の選手は朝からよく練習するなあ」だった。今では本拠地での試合前にはアーリーワーク(早出練習)に参加し、フリー打撃で快音を響かせ、軽々と外野フェンスを越えるパワーも備えている。ある試合では、つなぎの安打でチャンスを広げチームの勝利に貢献したが、スポーツニュースには取り上げられなかったことがあった。「野球の醍醐味はやっぱりホームランだよね。打てば映るし」と言いながらも、しぶといつなぎ役に徹している。

続きを表示

2010年9月21日のニュース