また逆転!ソフトB奇跡Vへ3連勝で0・5差

[ 2010年9月21日 06:00 ]

<ソ・西>西武に3連勝しタッチを交わし笑顔を見せるソフトバンクナイン

 【ソフトバンク5-4西武】奇跡への扉が開く――。ソフトバンクは20日、首位・西武を相手に5―4と逆転勝利。3・5ゲーム差で迎えた地元での3連戦に3連勝し、一気に0・5ゲーム差にまで肉薄した。かつて南海、西鉄時代から激闘を繰り広げる、パ・リーグを代表する両チーム。西武の優勝マジックは4のままで、ソフトバンクが3、西武が4試合を残すだけ。史上まれにみる熱パ、最後にゴールテープを切るのはどっちだ。

【試合結果
順位表


 9回2死一、三塁。打席には中島。握力は落ちていく。それでも守護神・馬原は「根負けしないように投げた。(重圧に)負けたら抑えは務まらない」と12球目もフォークを選択。空振り三振を奪った。

 「ふう、疲れた。しびれるね。3試合ともしびれたよ」。秋山監督は風邪からくる気管支ぜんそくで時折せき込みながらも笑顔を見せた。それも、3戦とも初回に先制を許しながらの逆転勝利。何より自らのタクトがさえ渡った。

 2点を追う6回無死一塁。フルカウントから、一塁走者の松中にスタートを切らせた。昨年10月に右ひざを手術し、走塁面で不安が残る主砲をあえて走らせた。これが結果的に敵失を誘う。打者・小久保の二ゴロで併殺を焦った二塁手・原がお手玉。「監督の判断が的中した」と大石ヘッドコーチ。小久保の右打ちの技術を信頼し切ったエンドランが、無死一、二塁と好機を広げた。その後に1点を返し、なおも無死満塁。しかし、長谷川、松田の連続三振で2死。ここで最大のカードを切る。田上に代えて、オーティズを起用。この3連戦を前にベンチ入り捕手を3人に増やしていたからこそ、6回で代打の切り札を出せた。

 08年オフの就任時、指揮官は理想の野球は黄金時代の西武だと語った。「何をすべきかを全員が知り、監督が何もしなくても勝つチームをつくりたい」。この日、その一端が見えた。3回からは執念の継投を仕掛け、4回2死二塁から救援した3番手・森福は2回1/3を無失点。特に6回は「(攻撃に)勢いを付けるには気合の入った投球をするしかない」と狙って3者連続三振を奪い、味方の逆転につなげた。自身も2試合連続の勝利投手となり、選手が考える野球はこの2年間で着実に根付きつつある。

 常勝・西武を知る秋山監督が、かつての古巣を追い詰めた。「ここまで来たら全員でやる。全員、全員でだ!」。残り3試合。7年ぶりの優勝に向け、一度は止まったはずの時計の針が急ピッチで動き始めた。

 ▽ソフトバンク、シーズン最多奪三振1220のプロ野球新 20日の西武最終戦(ヤフードーム)で12三振を奪って記録。19日に05年の阪神がつくった1208の記録に並んでいた。

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2010年9月21日のニュース