松坂“黒星回避”にホッ「負けなくて良かった」

[ 2010年8月2日 06:00 ]

6回1死、レアードのセーフティーバント処理でひっくり返る松坂

 【レッドソックス5-4タイガース】試合にも、ライバル球団の大型補強にも負けない。レッドソックスの松坂大輔投手(29)が7月31日(日本時間8月1日)、タイガース戦に先発し6回0/3を8安打4失点。リードを許したまま降板したが、チームが9回に逆転サヨナラ勝ちして黒星を免れた。トレード期限日のこの日、地区首位のヤンキースなどが大型補強を敢行。ゲーム差は依然として7・5だが、優勝戦線に踏みとどまる貴重な1勝を今後の反攻につなげる。

 ホッとしたのが本音だった。試合後の松坂は自身の投球に悔しさをにじませながらも、チームの劇的な勝利には自然とほおが緩んだ。
 「劣勢から逆転勝ちできたのは大きい。これからの時期はどんな形でも勝つことが大事。本当に負けなくて良かった」
 初回2死一塁で、カブレラに左翼場外への特大2ランを被弾。序盤から調子が上がらず、直球を少なめにカットボール、シュートとムービング系の球種を多用した。それでも6回0/3を8安打4失点で降板した。しかしチームは2点差の9回、1死満塁でオルティスの左中間二塁打で逆転サヨナラ勝ち。自身の黒星が消えたどころか、チームの劇的な勝利に松坂は「ここぞというところで打てるのが本来のパピー(オルティス)の姿」と興奮を隠せなかった。
 普段より騒然とした中での登板だった。この日の東部時間午後4時がトレード期限で、プレーボールはその10分後。開始10分前には一度はスタメンに名を連ねたハーミダが戦力外に。ウエーバーにかけるための措置で、急きょ先発メンバーも変更された。さらに試合中にも2つのトレードが発表と、フランコナ監督も「長い1日だった」とぼやいた。そんな中で松坂の耳に飛び込んできたのが、地区首位ヤ軍の「お家芸」ともいえる大型補強。バークマンらを獲得、戦力が有り余る状況に「獲らなくていいんじゃないかというチームが獲ってますからね」とあきれ顔だ。それでも負けるつもりはさらさらない。
 「故障した選手がそろえば、他がどんな補強をしようとも僕らは戦えると思う。球団も今の戦力で十分戦えると思っているので、それに応えていきたい」。自身の快投、チームの勝利。この2つの言葉を胸に、残り試合に立ち向かう。

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2010年8月2日のニュース