“怒りの代打満塁弾”山崎 同僚フィリに宣戦布告

[ 2010年5月15日 06:00 ]

<楽天・広島>6回2死満塁、代打・山崎武は右越え満塁弾を放つ

 【楽天8―7広島】楽天の24年目のベテラン・山崎武司内野手(41)が14日、広島戦で自身初となる代打での満塁本塁打を記録。不振で2試合連続スタメン落ちしていた主砲が意地の一発で健在ぶりをアピールした。中継ぎ陣が打ち込まれて5点差を追いつかれたものの、延長10回にアンディ・フィリップス内野手(33)が決勝打。チームは何とか逃げ切って連勝を飾った。

【試合結果


 延長10回の死闘で拾った白星。連勝に沸くロッカー室から現れた山崎は、本音を隠さなかった。
 「(背番号)5番に、実力で取り返してやるって言ってたと書いといてくれ。こんなことで喜んでいる立場じゃない。オレは生まれてこのかた反骨心の固まり。何と思われてもかまわない」。不振で2試合連続先発落ち。意地を見せたのは3―2の6回だ。2死満塁から渡辺直の代打で右越え5号満塁弾。自身初、球団史上初、歴代2位の高齢での代打満塁弾で5点差とした。中継ぎ陣が打ち込まれて延長に突入したがブラウン監督は「あの満塁弾がなければ負けていた」と評価。それでも山崎は笑わなかった。
 DHがないセ・リーグ本拠地では一塁で出場するしかない。だが5番・一塁には背番号5のフィリップスが座って2回に2号先制ソロ。延長10回は中前決勝打と2戦で計5安打6打点の活躍を見せている。開幕から4番に座って打率2割前後から抜け出せなかった山崎に、ブラウン監督は「毎日試合に出たい選手でフラストレーションはたまっているだろうが、セ・リーグ本拠地の試合ではこういう出番が多くなる」と厳しい現状を突きつけたが、それに黙って従う性分ではない。
 「あそこで打たせてくれたのは、まだ野球の神様が見放してないってこと。自分でまいた種だから自分で刈り取らないと」。楽天を背負ってきた自負がある。とにかく結果を出すしかない。41歳が自身へ向けた怒りは、乗り切れなかったチームのカンフル剤になる。

 ▼楽天中村紀(3回の3号2ランに加え、延長10回には小窪の三塁線のゴロをダイビングキャッチで好捕)あそこを抜かれたら二塁打。ピンポイントで送球できた。プロ入りしてからの中でも指折りのプレー。
 ▼楽天フィリップス(決勝の中前適時打など2試合で5安打6打点)センターにしっかりはじき返すことだけ考えていた。

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2010年5月15日のニュース