GM涙の選択…ロイヤルズ・ヒルマン監督解任

[ 2010年5月15日 06:00 ]

<ロイヤルズ・インディアンス>最後の指揮を執る試合前、審判と談笑するロイヤルズ・ヒルマン監督

 ロイヤルズは13日(日本時間14日)、成績不振を理由に就任3年目のトレイ・ヒルマン監督(47)を解任した。今季大リーグの監督解任は初。後任は元ブルワーズ監督で、ロ軍特別アドバイザーのネド・ヨースト氏(55)が務める。

 解任が決定されたのはインディアンスに敗れて7連敗となった12日。11勝23敗で首位から11ゲーム差離れたア・リーグ中地区最下位という低迷が最大の理由だった。その中、デイトン・ムーアGMは「あすもう1試合、最後の指揮を執るか?」と問いかけ、ヒルマン監督は首を縦に振った。球団の温情でこの日がラスト采配となり、昨年のサイ・ヤング賞右腕グリンキーが今季初勝利を挙げるなどイ軍に快勝。選手には同戦後に初めて解任が知らされた。
 「これはビジネス。うまくいく時もあれば、そうでない時もある。潔く現実を受け止めた」とヒルマン監督。一方で、苦渋の決断を迫られたムーアGMは「私は彼が大好きで…。非常に難しい選択だった」と涙を隠さなかった。今季が3年契約の最終年。任期を全うすることはできなかったが、自身の夢だったメジャーの監督を務めたことに「チャンスに恵まれ感謝したい。確かに難しかったが、目標は果たせたと思う」と振り返った。
 03~07年の日本ハム監督ではリーグ優勝2度。06年に44年ぶりの日本一になった際の「シンジラレナ~イ」は流行語にもなった。日本では日米の方法論を融合させた指揮で成功したが、ロ軍監督としては08、09年ともア・リーグ中地区4位で、通算成績は152勝207敗に終わった。

 ◆トレイ・ヒルマン(Trey Hillman)1963年1月4日、米テキサス州生まれの47歳。テキサス大アーリントン校から84年に外野手としてインディアンスに入団。しかし、メジャー昇格は果たせず、87年を最後に現役引退。90~01年にヤンキース傘下マイナーで12年間監督を務め、03年から日本ハム監督に就任。06年には44年ぶりの日本一に導いた。家族は夫人と1男1女。趣味はカントリーソングのギターの弾き語り。
 ◆ネッド・ヨースト氏経歴 捕手としてブルワーズなどでプレー。メジャー通算219試合で打率・212。2003~08年にはブルワーズ監督。監督通算成績は457勝502敗、勝率・477

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