広島 珍しい…野村監督「僕はこういうのはあまり…ね」

[ 2010年3月27日 06:00 ]

<中・広>開幕戦初勝利にウイニングボールを手に前田健(右)と笑顔を見せる野村監督

 【広島3-1中日】帰りのバスに乗り込む直前。野村監督は「僕はこういうのはあまり…ね」と笑うと、試合直後に一度は受け取った初陣白星の記念球を惜しげもなく前田健に手渡した。

 信念と信頼の初采配だった。「やっぱり勝ちたいから…。でもやっている選手の方が緊張している。僕は選手を信じていました」。初回、先頭の東出が出塁すると迷わず送りバントのサイン。1死二、三塁と好機を広げて栗原の先制2点打につなげた。就任以来繰り返してきた言葉が「試合の流れを大事にしろ」。目指す野球を体現してみせた。初開幕投手の前田健は最速148キロの直球を軸に、和田にソロを被弾しただけの8回1失点。95球しか投げていなかったが、あえて9回から守護神の永川を投入した。目の前の1勝が目標ではない。就任時に掲げた優勝に向けてのスタイルを確立したかったからだ。

 厳しさの中に大きな愛情を持ち、チームづくりを進めてきた。秋季キャンプでは朝の散歩に遅刻した選手から30万円の罰金を徴収。組織としての基本を徹底した。ただ、基本に厳しい中でも選手の自主性は最大限に尊重。声を荒らげることもめったにない。43歳の青年指揮官が目指したのは意識付け。優勝は18年間、Aクラスも12年間遠ざかっているチームを戦う集団に変ぼうさせることだった。

 そして初陣1勝。「いいスタートが切れた。こういうのを続けていければいい」と野村監督。そこに確かな手応えを感じていた。

 ▼広島・永川(走者を2人出しながら今季初セーブ)開幕戦はやはり力が入る。内容はともかく結果が出て良かった。
 ▼広島・栗原(初回に先制の2点打)ボール気味だったけど、まず初打席で1本出て良かった。

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2010年3月27日のニュース