島袋 無四球14K!興南センバツ初勝利

[ 2010年3月27日 06:00 ]

<関西・興南>頂点へ一直線―。14奪三振で好スタートを切った興南・島袋

 【センバツ第4日 興南4-1関西】第1試合の興南(沖縄)は島袋洋奨投手(3年)が14奪三振を奪う好投で、センバツ初勝利を挙げた。

 悔しさの分だけ大きくなった。そんな興南のエース島袋を甲子園は裏切らない。無四球14奪三振1失点。初めてこのマウンドで笑顔を見せた。「待ちに待った勝利でとてもうれしい。三振は球数が増えるだけだから意識してなかった」

 124球のすべてに進化をのぞかせた。トルネード投法で低めへ絶妙の制球。投手の原点である「外角低め」へ忠実に投じた。関西・江浦監督が「見えなかった」とうなったように、ボールの出どころが見えづらいフォームから打者の最も遠いコースへ。14個中10個が見逃し三振で、うち7個を外角低めで仕留めた。

 昨春は1回戦で富山商に延長10回、19三振を奪いながら0―2で敗戦。昨夏も1回戦で明豊(大分)に逆転でサヨナラ負けした。ピンチで投げ急いで打たれた反省から「危ない場面でしっかり間を取った」。敗戦から学んだ打ち気をそらす絶妙の“間”が、直前の風邪のため重たかった体をカバーした。

 センバツ初出場から29年。冷たい雨はやみ、春の甲子園に初めて興南の校歌が響く。島袋の左腕が春を運んできた。

 ▼中日中田スカウト部長 島袋はボールに角度があり、体の小ささを感じさせない。球質が良く(球の出どころの)見づらさもある。

 ▼阪神菊地東日本統括スカウト 負担のかかるフォームだが、今変える必要はないと思う。変化球がいい。

 <関西 堅田4失点「力んでしまった」>関西のエース堅田は制球が乱れて4失点。同じ左腕の島袋に投げ負けたとあって「力んでしまった。思ったところに投げられなかった」と力なく話した。14三振を喫した打線に江浦監督は「球持ちが良く、見づらく、いいボールだった。狙い球を絞るように言ったが、それでも見えなかったようだ」と相手投手を称えた。

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2010年3月27日のニュース