イチロー、最速メジャー2000安打!!

[ 2009年9月8日 06:00 ]

<アスレチックス・マリナーズ>初回いきなり2000安打!イチローは二塁ベース上でヘルメットを脱ぎ、ファンに応える

 マリナーズのイチロー外野手(35)がメジャー史上最速で2000安打に到達した。1999安打で迎えた6日(日本時間7日)、アスレチックス戦の初回に右翼線へ痛烈な二塁打。大リーグ史上259人目の記録だが、デビューから9シーズン目での達成はメジャー史上最速となる驚異的なスピード記録となった。出場1402試合での到達は1900年以降の近代野球では史上2番目。また1つ勲章を手にしたイチローは、前人未到の9年連続200安打にもあと5本とした。

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 【マリナーズ2―5アスレチックス】イチローは「スピードが大事」と言い切った。9シーズン目での2000安打到達は史上最速。天才打者はそこにこだわった。さらに1402試合目はアル・シモンズの1390試合に次ぐ史上2番目のスピード記録。それでも「試合数が多いですから。日本で打つよりずっと楽。日本で2000打つのは結構凄いんじゃないか、と思います」と振り返る言葉に重々しさはなかった。
 過去には記録への重圧から吐き気をもよおし、押しつぶされそうになったこともあるが「そういう自分は過去のものだと思っている」。プレーボールからわずか1分。スピード決着だった。初回の第1打席。左腕ゴンザレスの2球目、91マイル(146キロ)内角直球をシャープに、かつこん身の力でとらえた打球は弾丸ライナーで右翼線を破った。手厳しいヤジで知られるオークランドのファンによる温かい拍手。メジャー1年目の遠征でコインを頭にぶつけられたり、氷が飛んできた敵地での快挙達成に「この場所でヒットを打って祝福してくれたのは、ちょっと感慨深いものがあった」とした。
 プロ入り後、ほぼ同型だったバットを今季初めて軽量化した。ミズノで久保田五十一氏の後を継いだ名和民夫氏は、イチローから細かい注文を受けた。「以前の910グラムまでから、今は900グラムを超えないというのが条件。ヘッドの走りが違うのが分かるから、重くなり過ぎないようにと」。投手の攻め方は年々多彩になり、微妙なゾーンをストライクと取られることも増えた。より正確なバットコントロールに加えて、スイングにさらなる切れとスピードを求めた末の決断だった。軽量化したバットでも、威力ある球に負けないだけの筋力を補ってリスクを回避。結果は安打だけでなく、本塁打も昨季6本から今季すでに8本。10グラムのこだわりが35歳のイチローをさらに進化させた。
 現在のペースで安打を重ねれば、40歳で迎える2014年シーズン序盤にもメジャー3000安打に到達する。日米通算では4278安打。それはピート・ローズの4256本超えも意味する。
 「節目であることは間違いないですがね。でも、たどり着いた、という感じでもないかな」。湿っぽさはない。前人未到の9年連続200安打まであと5本。イチローの行く先にゴールはない。

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2009年9月8日のニュース