オリックス、来季監督に山田久志氏最有力

[ 2009年9月8日 12:13 ]

芸術的な下手投げだった山田久志氏(阪急時代)

 オリックスの来季監督にOBで元中日監督の山田久志氏(61=野球評論家)が最有力候補に挙がっていることが7日、分かった。最下位に低迷する大石大二郎監督(50)は契約が切れる今季限りでの退団が決定的になっており、球団は水面下で後任人事に着手。阪急時代のエースで通算284勝を挙げた同氏のもとで黄金時代の再来を期す。

 球団再建は生え抜きの元エースでOB会会長を務める山田氏に託されることになった。複数の関係者によると、宮内オーナーは今年に入って複数回、山田氏と接触。同オーナーはスポニチの取材に「OB会長と会って話したのは事実です。私もいろいろな話を聞かせていただいて勉強しないと」と会談したことを認めた。そのうえで招へいについて「可能性という話で言えば何にでも可能性はあるんでしょうけどね」と明言こそ避けたが、その席上で次期監督の打診をしたとみられる。
 オリックスは昨年2位に躍進したものの、今季は25試合残して最下位に低迷。特に投手陣の不調が要因になっており、6月には投手コーチの配置換えも行った。だが、テコ入れ効果もなく、現在に至っている。来季の課題は明白で、球団では大石監督と来季以降の契約を結ばず、投手出身の山田氏に白羽の矢を立てた。
 山田氏は現役時代の実績はもちろん、指導者としての実績も折り紙付きだ。94年から96年間までの3年間、黄金時代の仰木オリックスで投手コーチを務め、96年の日本一に貢献。その後、中日でも星野監督のもとで投手コーチを務めて99年にリーグ優勝し、02年から監督も務めた。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表投手コーチに就任。不調だったダルビッシュを抑えで起用するなど、球数制限の中で巧みな継投策で大会連覇に大きく貢献した。
 球団サイドは山田氏を指導者としてだけではなく、将来的にはゼネラルマネジャー(GM)などでの球団経営の参画も視野に入れて招へいに動いている。来季、投手陣を再建して再びCSに出場できるかは、サブマリンの手腕に託される。

 ◆山田 久志(やまだ・ひさし)1948年(昭23)7月29日、秋田県生まれの61歳。富士鉄釜石(新日鉄釜石)を経て68年ドラフト1位で阪急に入団。70年から17年連続2ケタ勝利を挙げ、12年連続開幕投手(75~86年)はプロ野球記録。通算成績は284勝166敗、防御率3・18。88年に現役引退。オリックス、中日で投手コーチを務め、02年に中日の監督に就任。2年間で3位、2位の成績を収めた。06年に野球殿堂入り。05年からオリックスOB会会長を務める。

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2009年9月8日のニュース