阪神優勝!元トラ戦士・伊藤監督“涙の胴上げ”

[ 2009年9月8日 06:00 ]

<トータル阪神・松山フェニックス>優勝を決め、伊藤監督を胴上げするトータル阪神ナイン

 【トータル阪神3―0松山フェニックス】スポニチ後援「第34回全日本クラブ野球選手権」は7日、西武ドームで準決勝、決勝を行った。決勝は、元阪神の投手として活躍した伊藤文隆監督(55)率いるトータル阪神が、松山フェニックスを3―0で撃破。先発の上里田(あがりた)光正投手(27)が7安打完封の力投で、初出場初優勝を果たした。トータル阪神は、11月12日開幕の第36回全日本選手権(京セラドーム)への出場権を獲得した。

 この瞬間を待っていた。歓喜の輪の中で、トータル阪神・伊藤監督はナインの手で2度、3度と宙を舞った。「胴上げは初めてやわ。うれしい。選手に感謝です」と目を潤ませた。初回、神保の2ランで先制。午前中の準決勝でも4回を投げた先発の上里田が、気迫の128球で投げ切っての頂点だ。伊藤監督は、77年ドラフト1位で阪神に入団し、14年間のプロ生活で54勝81敗4セーブ。91年限りで現役引退後、アパレル関連の会社で1年間勤務した。自らの経験から「みんな仕事があって大変なのは分かるよ」。仕事と野球の両立はクラブチームの宿命。就任2シーズン目を迎えた元プロ監督は、1人1人への細やかな気配りでチームをまとめあげた。
 次の舞台は日本選手権。阪神入団前、三協精機では74年の第1回大会で優勝を経験したが「あのときはベンチに入っていただけ。まあ頑張りますよ」。初代王者に輝いた男が、今度は指揮官として頂点を狙う。

 <松山フェニックス 打線振るわずも…満足の準V>初の決勝で0―3の零敗を喫した。千原監督は、先発の中谷が本調子でないと判断し、3回から2番手・小寺にスイッチ。執念の継投を見せたが打線が振るわなかった。それでも指揮官は「コツコツやってきた選手が、素晴らしい舞台で頑張ってくれた」と準優勝にも穏やかな表情。首位打者に輝いた1番・田渕は「大会中にみんなが成長できた。切り替えて日本選手権予選に臨みたい」と次なる戦いを見据えた。

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2009年9月8日のニュース