関東勢“最後のとりで”帝京、サヨナラ勝ち!

[ 2009年8月19日 16:46 ]

 第91回全国高校野球選手権大会第10日の第4試合は、帝京(東東京)と九州国際大付(福岡)が対戦。帝京が4―3でサヨナラ勝ちし、準々決勝に進出した。

 帝京は3回2死から1番金子が左前打で出塁、続く2番田口の左越え適時二塁打で1点を先制。6回にバッテリーミスで同点とされ、7回には3回から登板したエース平原が小林に左越えソロ本塁打を浴びるなど2点を失い、九州国際大付にリードを許した。
 しかし、8回1死二、三塁からワイルドピッチと敵失で2点を返し、同点に追いつくと、9回1死満塁から金子の右越え適時打で激闘に終止符を打った。

 帝京の前田監督が身ぶり手ぶりで、指示を送った。「右。右方向を狙え」。九回1死満塁。1球目を強振していた金子は、外角の直球にバットを合わせた。前進守備の右翼手の頭上を越えるサヨナラ打。優勝候補が苦しみながらも、8強に進出した。
 九州国際大付の左腕納富を打ち崩せなかった。三回に1点を先行するが、右打者が内角の真っすぐと外角へのチェンジアップを攻略できない。六回に同点に追い付かれると、七回には2番手で登板していたエースの平原が本塁打を浴びるなど2点を勝ち越された。
 嫌な雰囲気の中で、八回に前田監督がはっぱをかける。「勝ってるつもりでやれ」。選手を動かそうとした指揮官の意思はすぐに伝わった。金子、田口の連打を足掛かりに相手のミスに乗じて2点を奪い、試合を振り出しに戻した。
 殊勲打のヒーローは試合後に、軽い熱中症で医務室に運ばれた。金子は「全国制覇を狙っている」と3度目の頂点に向けた強い決意の言葉を残した。百戦錬磨の指揮官も「こういうゲームをしたことは大きい」とうなる。強豪の九州国際大付を最後にねじ伏せて、帝京は一つのヤマ場を越えた。

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2009年8月19日のニュース