ハムに思わぬ敵!新型インフル集団感染

[ 2009年8月19日 06:00 ]

複数選手のインフルエンザ感染が判明し、マスク姿で球場を出る日本ハムの(左から)糸井外野手、谷元投手、林投手

 首位を快走する日本ハムが、新型インフルエンザに集団感染した。北海道旭川市保健所は18日、福良淳一ヘッドコーチ(49)、ターメル・スレッジ外野手(32)、宮西尚生投手(24)の新型インフルエンザ感染を確認したと発表。球団では3人とほぼ同時に発症した金森敬之投手(24)、大野奨太捕手(22)についても新型インフルエンザに感染した可能性があるとした。現時点で5人の感染者は今後、さらに広がる可能性も出てきた。

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試合結果


 恐れていた事態が現実となった。旭川市保健所によれば、新型インフルエンザに感染していたのは福良コーチとスレッジ、宮西の3人。しかし、被害はこれだけで済まない可能性もある。「潜伏期間が1週間ほどあるらしいので、予断を許さない状況」と島田チーム統括本部長はさらなる感染の拡大を懸念した。
 試合前の日本ハムベンチ裏は騒然としていた。それは異様な光景だった。練習中に福良コーチ、吉井投手コーチ、さらに宮西、スレッジら計9人がのどの痛みを訴えて次々と球場を離れ、旭川市内の病院へと駆け込んだ。簡易検査を行い、ほどなくして吉井コーチらはマスクを着用して球場に戻ったが、主砲・スレッジ、中継ぎで6勝を挙げている宮西、福良コーチそして金森の4人はインフルエンザに感染していることが判明。すぐさま金森は札幌へ“強制送還”。残る3人も旭川市内の宿舎に隔離された。
 スタメン予定だったスレッジを欠いた試合は楽天に完敗して連勝は4でストップ。試合後は小谷野、糸井らも次々と体調不良を訴えて病院へ直行した。最終的にこの日はチーム関係者20人が検査を受け、感染の4人以外は陰性と診断されたものの、主力選手の相次ぐ感染に梨田監督は「あす以降も増えるかもしれないし、オレが全部引き受けたいぐらい」と頭を抱えた。スレッジに関しては回復を待つ方針だがこの日の宮西に続いて、きょう19日は金森の出場選手登録を抹消して2軍から急きょ中継ぎの山本、榊原を呼び寄せるなど、ドタバタは止まらない。
 球団ではこれまでも、うがいと手洗いを徹底。札幌、鎌ケ谷の合宿所ではうがい薬や消毒液が出る自動機械まで設置して予防に努めてきた。試合後、藤井球団社長は球場で会見を開いて「試合の延期や中止は考えていないが、選手と接触があるサイン会などのイベントは当面自粛したい」とした。この日は札幌ドーム内のロッカールームや選手食堂を消毒。チームは19日の試合後、札幌に移動するが3人の感染者は旭川市内のホテルで延泊させる。合宿所で生活する約20人の選手、スタッフを札幌市内のホテルへ移したところで3人を合宿所に戻して、16日に発症した大野、金森とともにしばらくは隔離することになった。
 優勝へのマジック点灯を目前にしたところでの思わぬ事態に金子誠は「今の敵は相手じゃない。学級閉鎖はできてもチーム閉鎖はできない」と苦渋の表情。首位を独走する日本ハムが苦しんでいる。

 ≪八木が2敗目「申し訳ありません」≫【日本ハム3-6楽天】八木が7回7安打5失点で2敗目を喫した。先制点をもらった直後の2回無死一塁からセギノールに左中間へ逆転2ランを浴びると、3回2死満塁でリックに押し出し四球など序盤に大量失点。「岩隈さんから先制点を取ってくれたのに四球や本塁打で崩れ、よくないところばかりで申し訳ありません」と猛省。試合後に受けたインフルエンザの検査は陰性だったが、肩は落ちたままだった。

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2009年8月19日のニュース