入らないでくれ…祈り届かずマウンドの背番号2は崩れた

[ 2009年8月17日 19:25 ]

 【関西学院4―5中京大中京】「入らないでくれ」。必死の祈りはとどかずに、背番号2はマウンドに崩れ落ちた。4―4で迎えた9回。一度は捕手に戻った関西学院の山崎裕は、この日2度目の登板だった。1死後、3番の河合に外に抜けたカットボールを左中間スタンドに運ばれた。サヨナラ本塁打。89年ぶりの夏の大会2勝が消えていった。

 1回に先発の新川がわずか打者4人で交代したが、救援した女房役の山崎裕が、試合の流れを渡さなかった。3回に同点、5回には1点を勝ち越した。3―3の7回に勝ち越された後も、9回に黒木の犠飛で追い付く、驚異的な粘りを見せた。
 互いに全国制覇の経験がある古豪。とはいえ中京大中京は今春の選抜大会の8強だった。強豪を最後まで追い詰めた山崎裕は「ここまで来ることができて幸せだった」と満足げだった。広岡監督も「悔しさよりも、よくやったと思う。素晴らしい試合だった」と晴れやかな笑顔だった。
 70年ぶりの復活出場。惜敗したチームには、勝者よりも大きな拍手が送られた。関西学院がしっかりと足跡を残して甲子園を去った。

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2009年8月17日のニュース