日本文理 新潟“単独ビリ”脱出、山形と並んだ

[ 2009年8月16日 06:00 ]

<寒川・日本文理>8回1死二塁、武石の右前打で逆転のホームを踏んだ高橋隼はチームメートに祝福される

 【日本文理(新潟)4―3藤井学園寒川(香川)】第91回全国高校野球選手権第6日は15日、甲子園で2回戦4試合が行われ、第3試合で5度目の出場の日本文理(新潟)が藤井学園寒川(香川)を4―3で振り切り、夏初勝利。夏の通算勝利数では47都道府県中、単独最下位だった新潟県勢だが、この日の勝利で46位の山形と並んだ。また第1試合ではPL学園(大阪)、第2試合では日本航空石川(石川)がそれぞれ勝ち、3回戦に駒を進めた。

【試合結果


 確かな一歩を踏み出した。日本文理が5度目の出場でうれしい夏初勝利。「やっと勝たせてもらいました。感無量です」。就任23年目で67歳の大井監督は顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
 鍛え抜いてきた打線で試合をひっくり返した。2点を追う7回に5番・高橋義が中越えに特大のソロアーチ。8回には高橋隼、武石の連続適時打で逆転した。打線に火をつけた高橋義は「今村くんに負けてから徹底的に振り込んできましたから」と春の敗戦を糧としたことを強調した。
 今センバツでは1回戦で優勝した清峰と対戦。ドラフト候補右腕・今村から7安打を放ちながらも0―4で零敗を喫した。「いくら打っても点を取れなければ何もならない」と大井監督はセンバツ後、実戦形式の打撃練習を多用。投手にはプレートの2メートル前から投げさせた。すべては甲子園に出るためではなく、勝つための取り組みだった。
 今年7月には新潟市に初の県立球場「ハードオフ・エコスタジアム新潟」が完成した。収容人員3万人、甲子園を上回る両翼100メートルの新球場。県高野連の富樫理事長は「県大会準々決勝から使用したことが、きょうの結果につながっている」と話したように、広い甲子園でも臆することなくのびのびとプレーした。
 すでに山形代表の酒田南が姿を消したため、3回戦の日本航空石川戦に勝てば夏の通算勝利では5年ぶりに最下位脱出となる。大河ドラマ「天地人」の舞台となっている新潟が今夏、熱く燃えている。

 ≪藤井学園寒川 初戦は力負け…≫藤井学園寒川は終盤に競り負けて聖地での“初陣初勝利”は夢に終わった。宮武監督は「超満員の甲子園で緊張することなくウチらしい野球ができた」と話したが、「伊藤投手の球が予想以上に走っていて翻ろうされた」と力負けを認めた。7回の途中からは2年生の高橋涼が登板。しかし、1点リードの8回1死一塁から連打で逆転を許し「少し投げ急いでしまった。3年生に迷惑をかけて…」と肩を落とした。

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2009年8月16日のニュース