ノムさんジンクス関係なし!阪神には「オレの記録破って」

[ 2009年6月21日 06:00 ]

 【楽天5―2阪神】試合後の楽天・野村監督はすこぶる上機嫌だった。「ダメ押し点が取れんわい」とボヤきながらも、6連打で一挙5点を奪った3回の攻撃には「あれは見事だった。評価してくださいよ、楽天の成長を!」と声を弾ませた。

 2死無走者。カウント2―0から猛攻は始まった。平石、中村真の連打で一、三塁とし、草野が右翼に先制4号3ラン。「前の打席でチャンスをつぶしていたから。飛んだねえ~」と喜んだ。4番として9試合目での初アーチは、高めのボール球のスライダーを上から叩いたもの。それでも「4番打者になっちゃダメ。ヒットをいっぱい打たなきゃ」。あくまで気持ちは“つなぎ”。その思いに応え、山崎武が連弾となる12号ソロ。さらに鉄平、丈武の二塁打で6連打となった。
 因縁の阪神戦。試合前の楽天ベンチが凍り付いた。関西のテレビ局関係者が、野村監督に名刺を渡そうとしたのだ。周囲は慌てて止めたが、野村ジンクスは試合前に名刺を渡されるだけでなく“見るだけ”でもアウト。今季は2度あっていずれも黒星を喫しており、指揮官は「楽天負かすにゃ刃物はいらぬ~。名刺の1枚あればいい~」とヤケクソ気味に口ずさんだ。そんな“名刺攻撃”もかわし「ジンクスも100%じゃない。たまには(勝つことも)あるだろ」とニンマリだった。
 楽天の指揮官として、甲子園での白星は06年5月31日以来3年ぶり。そして阪神を、自身が指揮を執っていた01年以来となる借金10に突き落とした。「まあ頑張ってください。どうぞオレの(借金の)記録を破っちゃってくださいよ」。あれから8年。年俸面では大きく見劣りする面々の奮闘でシーズン30勝到達、貯金も1に戻した。「楽には勝たせてくれん」。そういうノムさんの顔は、いかにもうれしそうだった。

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2009年6月21日のニュース