ダル9勝!宣言通りだ!マー君抜き去った

[ 2009年6月21日 06:00 ]

<広・日>7回裏無死、栗原の打球を右ひざの上に受けるダルビッシュ

 【日本ハム5―1広島】どうだ、マー君。日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が20日、広島戦に先発し、7回を3安打1失点に抑え、両リーグ単独トップとなる9勝目を挙げた。今季は楽天・田中に勝ち星で先行を許していたが、初めて上回り、防御率、奪三振と合わせて、堂々のパ投手部門3冠。“日本のエース”としての存在感を見せつけた。

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 ベンチを飛び出そうとした吉井投手コーチを、ダルビッシュはマウンドから制した。7回、栗原の打球がワンバウンドで右ひざの上に当たったが、むしろこれでギアチェンジした。続くマクレーンを3球三振に仕留めると、喜田にはこの日の最速149キロで空振り三振に斬って取った。
 「全体的にスピードがあったし直球も力があった。スピードガンはアテにならない。最後よりももっといい球はありましたから…」。7回3安打1失点。エースとして十分な働きだった。
 赤土で硬い初めてのマウンドにも対応した。足元は掘れやすかったが「ストライクは取れたし、違和感もなかった」と3回までは完全投球。ただ反省したのは4回だ。梵に右越え二塁打され、WBCで同僚だった栗原には148キロを中越え二塁打。1点を失った。「栗原さんとはいつもタイミングが合う。だから慎重にいっているのに、この時だけ力で抑えようと思った。今年はこれがないのがいいところだったのに…」。だが、フェンス直撃の2安打で逆に開き直れた。「本当ならば本塁打を2発だったところを1点で済んだ。そう思ったから気持ちで有利になれた」と振り返った。
 交流戦最後の登板で今季9勝目。ついに楽天・田中を抜いた。「まだこの時期なので気にしません」と気を緩めないが、球宴のファン投票でもトップ争いをする弟分の存在は自然と気になる。田中が7回7安打2失点で9勝目を逃した18日の広島戦(マツダ)はホテルでテレビ観戦した。「少しだけ見ました。あいつも勝ちに等しい投球をしていたし、ここまでは僕も同じような成績ですから」。13日の中日戦後に8勝で並んだときは「あいつなんかすぐ抜けますよ」とちゃめっけを見せたが、1つ上回ったぐらいでは喜ばなかった。
 防御率1・21に加え、5三振を奪い、西武・涌井の88三振にも並んだ。これでパ投手3冠に躍り出て、交流戦も3冠(4勝、防御率1・15、40奪三振)となった。だが、意外なことにプロ入り後、最多勝と防御率のタイトルはまだ手にしていない。「(記録は)意識せずに、次もシーズンの最初の試合と思って投げます」。チームも3年連続となる交流戦の勝ち越しが決定。試合後、エースのしぐさからは白球がぶつかった痛みなどはまるで感じられなかった。

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2009年6月21日のニュース