衝撃デビュー!亜大・東浜10回5安打完封

[ 2009年4月22日 06:00 ]

<中大・亜大>完封勝利を飾った亜大・東浜巨は4回、帽子を飛ばしながらの力投を見せる

 東都大学野球春季リーグ第3週第1日は21日、神宮球場で1回戦2試合が行われた。第2試合では昨春センバツで沖縄尚学を全国優勝に導いた亜大・東浜巨(なお)投手(1年)がリーグ戦初先発。中大を相手に延長10回を投げ抜いて、5安打8奪三振で完封勝利の衝撃デビュー。最速150キロをマークして、75年春の東洋大・松沼雅之(元西武)以来34年ぶりの快挙となった。また、第1試合は東洋大が立正大に4―0で先勝した。

【日程と結果


 【亜大1―0中大】霧雨が舞う中、勝利を決める力ない飛球が自らのグラブに収まった。東浜は甲子園優勝と同じ笑顔で拳を突き上げた。
 「緊張はなかったです。でも最後は疲れた。10回2死から走者を出したのは反省かな」。興奮気味に言葉を継ぐ1年生に最高の充実感が漂った。
 全国優勝右腕の肩書はダテじゃなかった。生田監督が「経験を積ませるため」と送ったマウンドで延長10回130球を投げ抜いた。初回、2回と自己最速を2キロ上回る150キロをマーク。3回は3連打で無死満塁としたが「1点は仕方ない」と開き直り志田を142キロ直球で見逃し三振。沖縄尚学の同僚・西銘のスクイズを捕ゴロ併殺で切り抜けた。要所で右打者はスライダー、左打者はツーシームと外角を丁寧について13の内野ゴロ。終盤は球威が落ちたが、軸とした直球で最後まで押し通した。与四球1。初登板とは思えないマウンドさばきで5安打8奪三振。1年生の初登板初完封は75年春の松沼以来34年ぶりの快挙だった。
 ドラフト1位候補に挙げられたが「大学で技術を磨く」と進学を決めた。2月の沖縄・東風平(こちんだ)キャンプではリリース時に体が開く点を指揮官に指摘されて投球フォームを修正。高校時代は取り組まなかった右肩周辺と胸回りの筋トレも取り入れて直球に磨きもかけた。そんな“ルーキー”を生田監督も「技術、精神力とも素晴らしい。完全に脱帽です。大したもの」と絶賛だ。
 10回2死二、三塁と逆転サヨナラのピンチ。マウンドに来た指揮官に「腹が減った」と訴えて、試合後の“焼き肉”の約束を取り付けた大物右腕は「早く投げたかったので、楽しいマウンドでした。神宮は甲子園より捕手が近く感じ投げやすい」。戦国東都に新星が出現した。

 ◆東浜 巨(ひがしはま・なお)1990年(平2)6月20日、沖縄県うるま市生まれの18歳。小1から「与那城ストロング」で野球を始める。与勝中3年で投手として九州大会3位。沖縄尚学では昨年センバツでチームを9年ぶり優勝に導いた。家族は両親。1メートル81、70キロ。右投げ右打ち。

 ≪中大 高橋監督も東浜に脱帽≫中大は新人・東浜を最後まで打ち崩せず。高橋監督は「伸びのある球を投げていた。150キロを投げられると攻略できない」と最後はお手上げ状態だった。沖縄尚学で主将を務め、東浜とともに昨年センバツ優勝に輝いた西銘は2番・二塁で先発。3回1死満塁でスクイズ失敗など4打数無安打で1三振。元チームメートを打ち崩せず「僕の時はボールが先行し、気負いも感じたが結果を出す点は尊敬に値する」と力なく話していた。

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