グライ11K完封!古巣ヤクルト戦7連勝

[ 2009年4月22日 06:00 ]

<巨・ヤ>スタンドへサインボールを投げ入れるグライシンガー

 【巨人4―0ヤクルト】巨人のセス・グライシンガー投手(33)が21日のヤクルト戦で3安打完封勝利を挙げた。自己最多の11三振を奪い、今季チーム初完投でリーグトップの3勝目。三塁を踏ませず、昨年から続く同カードの連勝を7に伸ばした。チームは長崎での主催試合で4試合目にして初勝利。今季2度目の4連勝でリーグ10勝一番乗りを果たした。単独での両リーグ一番乗りは19年ぶりで、早くも“セ界独走態勢”のにおいが漂ってきた。

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 グライシンガーはウイニングボールをスタンドに投げ入れた。2年ぶりの完封も記念球には興味ない。122球を投げても、涼しい顔のまま長崎のお立ち台に上がった。
 「完封は去年もなかったのでうれしいけど、中継ぎを休養日にできたことが一番うれしい」。3回まで完全投球。4回に青木に初安打を許したが、落ち着いていた。8回で103球。原監督から続投の意思を問われると迷わず9回のマウンドを志願した。自己最多の11奪三振にも「それよりも勝てたことがうれしい」と冷静に振り返った。
 15日のヤクルト戦で10安打を浴びた。同じ相手に許した安打は3本。6日間で何が変わったのか。直球、変化球の配分に大きな変化はなく、すべての球種の精度が上がったことに、2年連続最多勝腕の秘密があった。
 登板間に2度のブルペン投球をこなすが、登板翌日はブルペンに入る。球は握らずマウンドの傾斜でシャドーピッチングを繰り返す。「映像で何が悪いかなんて確認しようがない。自分の投球を一切見たことがない。傾斜で投げた感覚がすべて。各球種の良かった感覚を体に覚えさせる。そのためのブルペンだ」。マウンドで何を感じるか、を重要視する。122球で同じ球を続けたのは12度。直球、チェンジアップ、カット、ツーシーム、カーブ。5種類の球種すべてを勝負球とした。
 常に前向きな発想で単打は安打と見なさない。「野手の間を抜けたり、打ち取ってもどうしようもない安打はある。長打は反省するけどね」。前回の10安打は単打が9本。“打たれた”という感覚は持っていなかった。
 チームは長崎初勝利。4連勝で10勝一番乗りに原監督は「これが呼び水になってもらいたい。他の先発も“次は自分もやってやるぜ”となってほしい」と称えた。試合後、バスに乗る前にグライシンガーは言った。「長崎のマウンドは良かったよ」。初めての傾斜は心強い味方だった。

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2009年4月22日のニュース