ダル魔の初回…「癖がばれてるのかな…」

[ 2009年4月4日 06:00 ]

<日・楽>初回、鉄平に先制の適時三塁打を許し、肩を落とすダルビッシュ

 【日本ハム1-3楽天】最後は意地だった。6回で降板した岩隈に対して、日本ハム・ダルビッシュは8安打を浴びながらも無四球。首脳陣がリミットとした120球を1球超えたが最後まで投げ抜いた。

 「岩隈さんが早く降板したので自分ができるのは完投だけ。せめてもの意地でした」
 スコアボードは初回の3以外0を並べた。その初回。わずか3分で3点を失った。「直球が走らなかったのに投球を変えるのが遅かった。何点取られるのかと思って途中から変化球を主体にした。最初からそうすればよかった」。1死二塁でこの日最速150キロを鉄平に中越えに運ばれた。セギノールに141キロカットボールを右翼席へぶち込まれた。2回の礒部、4回の山崎武はいずれも初球の直球を狙われて安打を許した。配球を変えた5回は3者連続三振をすべてスライダーで奪っただけに悔いも残った。
 課題はもうひとつ残った。「すべてがうまく打たれた。ちょっと癖がばれているのかな。いくら調子が悪いといってもあそこまではない」と初回を振り返った。3回以降はセットポジションに入るまでに、グラブをブラつかせるなど通常の投球動作を変えた。「投げる前の動きをクチャクチャにしたら相手も戸惑っているようだった。自分なりに考えていきます」。今後はビデオで癖についてもチェックしていかなくてはならない。
 「きょうの結果は別だけど、9回投げてくれるしやっぱりに頼りになる」と梨田監督。敗れてなお指揮官の信頼は強くなった。WBCは2次ラウンド韓国戦の5回が最長。帰国後は29日の横浜戦で2回、わずか32球を投げただけ。中4日ながら先発完投の感覚を取り戻したことは大きい。
 「完投ってこんなに疲れたかな。きょうは今すぐ眠れます」。笑うエースに悲そう感は全くなかった。

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2009年4月4日のニュース