藤井が快投!日本ハム一気に決めた

[ 2008年10月13日 06:00 ]

<オ・日>勝ち投手となった藤井

 【日本ハム7-2オリックス】一気に決めた!日本ハムは12日、先発・藤井秀悟投手(31)が6回0/3を3安打1失点。14奪三振で完投勝利を収めた前日のダルビッシュ有投手(22)に続く快投を演じた。チームも今季リーグ2位のオリックスに連勝し、17日からのクライマックスシリーズ第2ステージへの進出が決定。06、07年とリーグを連覇した日本ハムが、日本シリーズ出場を懸けて西武に挑む。

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 勝利の瞬間、ベンチで見守っていた藤井が満面の笑みを見せた。「先発を言われた時は僕で大丈夫かなと思ったけど、大一番で使ってくれた期待に応えたい気持ちでいっぱいだった。監督もいい誤算だったんじゃないですか」。梨田監督とハイタッチを交わした。

 レギュラーシーズンの成績は19試合で3勝8敗。勝ち星は中継ぎの坂元(6勝)や武田久(4勝)より少なく、チームメートからネタにされた。しかし、首脳陣はCS進出直後に藤井の第2戦先発を決めていた。キーワードは「相性と経験値」だ。オリックス戦の防御率は、ダルビッシュに次ぐチーム2位の2・40。同じく候補に挙がった左腕・武田勝の3・80を大きく上回る。さらに、初戦の結果次第で重圧がかかる第2戦だけに、ヤクルト時代の01年に最多勝を獲得し、同年の日本シリーズにもこの日と同じ京セラドームで登板した修羅場の経験を買った。

 今季1000投球回をクリアした左腕は「技」も使った。「ダルビッシュが相手打線を崩してくれていたので、うまく乗っていけました」。11日の初戦で絶対エースが最速153キロの直球と鋭い変化球で14三振を奪うパワーピッチングを展開。藤井は打者の脳裏にある残像を利用し、130キロ台の直球とチェンジアップを軸に打ち取る“真逆”の投球でオリックスを6回0/3、3安打1失点に抑えた。

 「自分の行動範囲が狭くなる」とゲン担ぎはしないが、9歳年下のダルビッシュに変化球の握りを教わるなど技術力向上にはどん欲だ。鎌ケ谷でのCS直前練習中はダルビッシュの“運転手”役も買って出た左腕は「きのうの勝ちをムダにしないでよかった」と第1S突破に胸を張った。

 試合後は飛行機で神宮に駆けつけると、引退セレモニーを終えたばかりのヤクルトの真中、度会、小野、河端にあいさつ。「お世話になった人たちばかりなので来ました」と握手を交わした。気配りの男・藤井の快投で日本ハムが下克上ロードの階段を一歩上がった。

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2008年10月13日のニュース